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どんな症状がある時に膠原病が疑われますか?【 症状から膠原病をアプローチする 】

こんにちは、今回は「膠原病を疑う症状」について取り上げていきたいと思います。

多くの膠原病で、発熱や関節痛などの症状を認めると聞きましたが、それぞれの疾患でどのように症状が違うのか知りたいです。

Contents
  1. どんな症状がある時に膠原病が疑われますか?
    1. まず、大切なこと
    2. 膠原病の正確な診断をするために
  2. 関節リウマチ(RA)
    1. こんな症状があったら、『 関節リウマチ 』が疑われます
  3. 全身性エリテマトーデス(SLE)
    1. こんな症状があったら、『 全身性エリテマトーデス(SLE) 』が疑われます
    2. こんな症状があったら、SLEによる臓器障害が疑われます
  4. 多発性筋炎・皮膚筋炎(PM / DM)
    1. こんな症状があったら、『 多発性筋炎・皮膚筋炎 』が疑われます
  5. 全身性強皮症(SSc)
    1. こんな症状があったら、『 全身性強皮症 』が疑われます
  6. シェーグレン症候群(SjS)
    1. こんな症状があったら、『 シェーグレン症候群 』が疑われます
  7. 混合性結合組織病(MCTD)
    1. こんな症状があったら、『 混合性結合組織病 』が疑われます
  8. 血管炎
    1. こんな症状があったら、『 血管炎 』が疑われます
    2. 高安動脈炎(TA)
    3. 巨細胞性動脈炎(GCA)
    4. 結節性多発動脈炎(PN)
    5. 多発血管炎性肉芽腫症(GPA)
    6. 顕微鏡的多発血管炎(MPA)
    7. 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)
    8. IgA血管炎
  9. 成人Still病(AOSD)
    1. こんな症状があったら、『 成人Still病 』が疑われます
  10. ベーチェット病(BD)
    1. こんな症状があったら、『 ベーチェット病 』が疑われます
  11. 脊椎関節炎(SpA)
    1. こんな症状があったら、『 脊椎関節炎 』が疑われます
  12. IgG4関連疾患(IgG4-RD)
    1. こんな症状があったら、『 IgG4関連疾患 』が疑われます
  13. リウマチ性多発筋痛症(PMR)
    1. こんな症状があったら、『 リウマチ性多発筋痛症 』が疑われます
  14. 抗リン脂質抗体症候群(APS)
    1. こんな症状があったら、『 抗リン脂質抗体症候群 』が疑われます

どんな症状がある時に膠原病が疑われますか?

まず、大切なこと

膠原病は、『 全身性自己免疫疾患 』と呼ばれ、多くは自己免疫に伴う炎症反応を伴います。

具体的には、発熱やCRP、赤沈などの上昇を伴う炎症を認めます。

原因不明の炎症(不明熱)には、膠原病以外にも、感染症や悪性腫瘍などの可能性があります

不明熱の3大疾患は、 感染症 悪性腫瘍 膠原病です。

なので、膠原病を疑う前に『 感染症や悪性腫瘍を検索すること 』がとても重要です。

なぜなら、感染症に対しては、抗菌薬や抗ウイルス薬といった病原微生物に対する治療を行いますし、悪性腫瘍に対しては、外科的治療や化学療法などを行うため、行う治療が全く違うからです。

むしろ、膠原病に対しては、ステロイドなどの免疫抑制薬を使用しますが、感染症に対しては免疫力を下げる治療は致命的になることもあります。

このため、これら3疾患の、発熱性疾患で発熱、体重減少、倦怠感、関節痛といった症状は、一見同じように見えるため、その原因を突き詰めることが非常に大切です

感染症や悪性腫瘍を検索する、具体的な検査は?

具体的な検索方法は、感染症については、血液培養や各臓器に関連した培養検査(喀痰培養、尿培養検査など)、画像検査などを行い、

悪性腫瘍に対しては、CT検査(特に造影CT)、内視鏡検査(胃カメラなど)、組織生検などを行ないます。

頻度としては、一般的に膠原病よりも、感染症や悪性腫瘍の方が頻度は高いため、まずは、この2疾患を念頭に検査することが大切です。

今回は、感染症や悪性腫瘍などの不明熱の原因は、否定できた上で、それぞれの膠原病で認める症状を見ていきたいと思います。

膠原病の正確な診断をするために

膠原病の正確な診断をするためには、次の2点がとても大切です。

  1. 膠原病は、患者さんの症状が診断に直結するので、認めた症状はしっかりと主治医に伝える
  2. 膠原病は、異なった時期に別の症状が認めることがあるため、症状が出現したたびに主治医に伝える

症状が診断に直結する

多くの膠原病は、診断基準に、患者さんの症状の項目が多くあります。

強皮症でしたら、皮膚硬化がある、

SLEなら、蝶形紅斑や口腔潰瘍があるなどです。

このように、認めた症状はしっかりと主治医に伝えることが、正確な診断につながります

症状は、異なった時期に認めることがある

膠原病の症状は、同じ時期に全て認める訳ではありません。

例えば、

強皮症は、最初はレイノー現象があり、その後数年して皮膚硬化が出現したとか、

ベーチェット病は、以前から口内炎はあったけど、ぶどう膜炎が出て、その後、陰部潰瘍ができた。

といったように、経過の中でさまざま症状を認めることがあるため、その都度主治医に症状を伝えることが、正確な診断につながります。

それでは、前置きが長くなりましたが、それぞれの症状を見ていきましょう。

関節リウマチ(RA)

こんな症状があったら、『 関節リウマチ 』が疑われます

関節リウマチを疑う症状
  1. 朝に手がこわばる(目安は改善するまでに1時間以上かかる)
  2. 関節の痛みや腫れがある
    • 特に指や足趾の関節
    • 左右対称性が多い
  3. 関節が変形している
  4. 全身症状がある
    • 微熱
    • 倦怠感
    • 食欲不振
  5. 手、肘、膝などに結節がある(リウマトイド結節)
  6. 空咳や息切れがある(リウマチ肺:関節リウマチ関連間質性肺炎)

〈 リウマトイド結節 〉

( 画像引用:https://chugai-ra.jp/about/about02-02.html

抗リウマチ薬 早見表【それぞれのポイント】 こんにちは、今回は抗リウマチ薬早見表を作りましたので、ご参考にしていただけたらと思います。 それでは、さっそくやっていきましょう...

全身性エリテマトーデス(SLE)

こんな症状があったら、『 全身性エリテマトーデス(SLE) 』が疑われます

SLEを疑う症状
  1. 全身症状
    • 発熱
    • 全身倦怠感
    • 易疲労感
  2. 皮疹がある
    • 顔に蝶のような皮疹がある(蝶形紅斑
    • 紅斑が手のひらに認める(手掌紅斑)
    • 鱗屑や痂皮を伴う境界明瞭な円板状の紅斑を認める(円板状エリテマトーデス:顔面、口唇、耳などの露光部に多い)
  3. 関節痛がある
    • 日によって痛む関節が変わることもある
  4. 口内炎や口腔内に潰瘍がある
  5. 最近、髪の毛がよく抜けてしまう(脱毛)
  6. 強い紫外線にあたった時に、皮膚が赤くなったり、水膨れが起きたりする(日光過敏)
  7. 寒いところにいくと指先が白くなる(レイノー現象)

〈 蝶形紅斑 〉

( 画像引用:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa7/s2_q05.html

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こんな症状があったら、SLEによる臓器障害が疑われます

ループス腎炎を疑う症状

  1. 尿の量が減る
  2. 急に足の浮腫みが出てきた
  3. 急に体重が増えた
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神経精神ループス(CNSループス)を疑う症状

  1. 中枢神経症状
    • 頭痛がある
    • 一過性に意識消失があった
    • けいれん発作が起きる
    • 手足の麻痺がある
  2. 精神症状
    • 人格の変化があった
    • 抑うつ症状がある
    • 急に物覚えが悪くなった
    • 幻覚、妄想など
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多発性筋炎・皮膚筋炎(PM / DM)

こんな症状があったら、『 多発性筋炎・皮膚筋炎 』が疑われます

多発性筋炎・皮膚筋炎を疑う症状
  1. 全身症状
    • 発熱
    • 一日中だるい(全身倦怠感)
    • 疲れやすい(易疲労感)
    • うつうつしい
  2. 筋症状
    • 筋肉に痛みがある
    • 筋肉に力が入りにくくなった
    • ものが飲み込みにくい、話しにくい(咽・喉頭筋の障害)
  3. 皮膚筋炎に特徴的な皮疹がある
    • ゴットロン丘疹
    • ゴットロン徴候
    • ヘリオトロープ疹
    • ショール徴候
    • Vネックサイン
  4. 間質性肺炎の症状
    • 息切れがある
    • 空咳がある(痰が絡まない)
  5. 関節痛がある
  6. 寒いところにいくと指先が白くなる(レイノー現象)

〈 ゴットロン丘疹 〉

( 画像引用:https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/multimedia/image/v38403868_ja )

〈 ヘリオトロープ疹 〉

( 画像引用:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa7/s2_q07.html

〈 ゴットロン徴候 〉

( 画像引用:https://medu4.com/101G53

〈 Vネックサイン 〉

( 画像引用:https://kawamuranaika.jp/etc/5158

特に皮膚筋炎の一部の特異抗体では、悪性腫瘍の合併に注意する

特に、皮膚筋炎のうち、抗TIF1-γ抗体や抗NXP-2抗体などの筋炎特異抗体は、悪性腫瘍を合併する頻度が他の抗体よりも多いため、消化管内視鏡や、全身CTなどで検索することが大切です。

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全身性強皮症(SSc)

こんな症状があったら、『 全身性強皮症 』が疑われます

全身性強皮症を疑う症状
  1. 皮膚の症状
    • 手や前腕、顔、足などの皮膚が硬い
    • 皮膚の色が黒っぽい
    • 皮膚の乾燥や痒みがある
    • 表情が作りづらくなる(仮面様顔貌)
  2. 寒いところにいくと指先が白くなる(レイノー現象)
  3. 全身症状
    • 発熱
    • 一日中だるい(全身倦怠感)
    • 疲れやすい(易疲労感)
    • うつうつしい
  4. 呼吸器症状
    • 空咳がある(痰が絡まない:間質性肺炎)
    • 息切れがある(間質性肺炎、肺高血圧症)
  5. 消化器症状
    • 下痢や便秘がある
    • 腹部膨満感がある
  6. 関節が痛む、こわばりがある(関節痛)
  7. 食道・胃の症状
    • 食べ物が使える
    • 胸焼けを感じる(逆流性食道炎)
  8. 腎症状(腎クリーゼ)
    • 突然血圧が上がり、頭痛や頭部の不快感、めまい、胸痛が起こる
    • 尿が出なくなる
  9. 乾燥症状
    • 口の渇き(ドライマウス)
    • 目の渇き、異物感がある(ドライアイ)
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シェーグレン症候群(SjS)

こんな症状があったら、『 シェーグレン症候群 』が疑われます

シェーグレン症候群を疑う症状
  1. 乾燥症状
    • 口が渇く(ドライマウス)
    • 目の渇き、異物感がある(ドライアイ)
    • 膣が乾く(性交痛がある)
  2. 唾液腺の腫れがある(耳下腺、舌下腺、顎下腺)
  3. 皮疹がある
    • 顔面に好発し、辺縁が浮腫状に隆起した円形〜弓状の紅斑を認める(環状紅斑、抗SS-B抗体陽性で多い)
    • 四肢の紫斑
  4. 関節痛がある
  5. 手足の痺れがある(末梢神経障害)
  6. 間質性肺炎の症状
    • 息切れがある
    • 空咳がある(痰が絡まない)
  7. リンパ節の腫脹(腫れ)がある
  8. 排尿障害がある(間質性腎炎の症状)

〈 環状紅斑 〉

( 画像引用:http://nikata.cocolog-nifty.com/diary/2010/08/post-984a.html

〈 下肢に認める紫斑 〉

( 画像引用:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa35/q08.html

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混合性結合組織病(MCTD)

こんな症状があったら、『 混合性結合組織病 』が疑われます

混合性結合組織病を疑う症状
  1. 中核症状
    • 寒いところにいくと指先が白くなる(レイノー現象)
    • 指のソーセージ様腫脹がある
    • 息切れがある(肺高血圧症)
  2. そのほかは、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎・皮膚筋炎、全身性強皮症の症状を認めます
    • 詳しくは、各疾患の項目をご参照ください

MCTDは、診断基準に中核症状のいずれか1つ以上をを認めることが診断のための前提条件です。

通常は、レイノー現象が手指のソーセージ様腫脹を認めることが多いです。

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血管炎

こんな症状があったら、『 血管炎 』が疑われます

血管炎には、実は多くの病気がありますが、まずは、どの血管炎でも認める全身症状から血管炎の可能性を考えていきます。

血管炎を疑う全身症状
  1. 発熱が続く
  2. 全身がだるい(全身倦怠感)
  3. 最近体重が減った
  4. 疲れやすくなった(易疲労感)
  5. 関節が痛い(多関節痛)
  6. 筋肉痛

こういった全身症状があった場合は、血管の炎症に伴う症状の可能性があり、血管炎を疑う第一歩になります

次は、この全身症状に加えて、それぞれの病気の特徴的な症状に注目していきます ⬇︎

高安動脈炎(TA)

高安動脈炎を疑う症状
  1. 脳の血流障害が生じた場合
    • めまいや立ちくらみがある
    • 失神発作があった
    • 難聴や耳鳴がある
    • 歯の痛みがある
    • 頸部痛がある
    • 手足の麻痺、失明といった脳梗塞の症状がある(症状がひどい場合)
  2. 上肢の血流障害が生じた場合
    • 上肢のしびれ感がある
    • 上肢の痛みがある
    • 片側の脈が消失している
    • 血圧の左右差がある
  3. 下肢の血流障害が生じた場合
    • 一定の距離を歩くと、ふくらはぎなどにうずくような痛みやしびれ・疲労感がある(間欠性破行)
    • 下肢のしびれ感がある
    • 下肢の痛みがある
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巨細胞性動脈炎(GCA)

巨細胞性動脈炎を疑う症状
  1. 頭痛がある
  2. 側頭動脈に圧痛や腫脹がある
  3. 食べ物を噛んだり、しゃべったり、とにかく顎の筋肉を動かすと痛くなる(額破行)
  4. 下顎痛がある
  5. 眼動脈に炎症を認めた場合
    • 急激で重篤な視力低下がある
    • 一過性に目の前が真っ暗になる(黒内症発作)
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結節性多発動脈炎(PN)

結節性動脈炎を疑う症状
  1. 脳出血、脳梗塞の症状
    • 手足の麻痺
    • 呂律が回らない
    • ものが二重に見えるなど
  2. 心筋梗塞、虚血性心疾患、心膜炎、心不全の症状
    • 胸痛が数分以上続いている
    • 全身の浮腫みがある
    • 体を動かすと、胸が痛む
  3. 胸膜炎による症状
    • 呼吸に合わせて胸部に痛みがある
  4. 消化管出血、腸梗塞・閉塞
    • お通じが赤い(血便)
    • 腹痛がある
  5. 多発性単神経炎
    • 手足が痺れる
  6. 皮膚の症状
    • 皮下結節がある
    • 皮膚潰瘍や壊疽がある
    • 紫斑がある
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ANCA関連血管炎(GPA、MPA、EGPA)

多発血管炎性肉芽腫症(GPA)

多発血管炎性肉芽腫症を疑う症状
  1. 上気道症状
    • 鼻症状:鼻血、膿性鼻漏がある
    • 耳症状:難聴、耳漏、耳痛がある
    • 眼症状:眼充血、眼痛、眼球突出がある
    • 咽喉頭症状:咽喉頭痛、 嗄声
  2. 肺症状
    • 血痰が出る
    • 咳がある
    • 呼吸困難感がある
  3. 腎症状
    • 尿の回数や量が減った
    • 最近浮腫みが増えてきた
    • 尿検査で顕微鏡的血尿を認める
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顕微鏡的多発血管炎(MPA)

顕微鏡的多発血管炎を疑う症状
  1. 肺症状
    • 空咳や息切れがある(間質性肺炎)
    • 呼吸困難感がある
    • 血痰が出る(肺胞出血の可能性)
  2. 腎症状
    • 尿の回数や量が減った
    • 最近浮腫みが増えてきた
    • 尿検査で顕微鏡的血尿を認める
  3. 末梢神経症状
    • 手足の痺れがある
    • 筋力低下がある
  4. 皮膚症状
    • 紫斑がある
    • 皮下出血がある
    • 皮膚潰瘍がある
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好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)

好酸球性多発血管性肉芽腫症を疑う症状
  1. 喘息あるいはアレルギー性鼻炎がある
  2. 慢性好酸球性副鼻腔炎がある
  3. 神経症状
    • 手足の強い痺れがある
    • 筋力低下がある
  4. 皮膚症状
    • 紫斑がある
  5. 消化器症状
    • 腹痛がある
    • 黒色便や血便がある(消化管出血)
  6. 肺症状
    • 咳嗽がある
    • 血痰がある
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IgA血管炎

IgA血管炎を疑う症状
  1. 浸潤を触れる紫斑がある(皮膚症状)
  2. 関節痛がある(80 %)
  3. 腹部症状
    • 腹痛
    • 下痢
    • 黒色便、血便がある(出血)
  4. 腎症状
    • 尿検査で、血尿や蛋白尿がある
    • 下肢に浮腫みがある

〈 浸潤を触れる紫斑 〉

( 画像引用:https://medu4.com/105I55

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成人Still病(AOSD)

こんな症状があったら、『 成人Still病 』が疑われます

成人Still病を疑う症状
  1. 発熱
    • 1週間以上にわたる発熱がある(弛張熱)
  2. 関節痛
    • 手、肘、膝、足に多い
  3. 皮疹
    • 体幹や四肢にサーモンピンク色の皮疹がある(リウマトイド疹と呼ばれる)
    • 皮疹は、発熱と一致して出現することが多い
  4. 咽頭痛
    • Still病は、咽頭痛を認めるのも特徴的です
  5. 脾腫
  6. 筋肉痛がある
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ベーチェット病(BD)

こんな症状があったら、『 ベーチェット病 』が疑われます

ベーチェット病を疑う症状

〈 4大主症状 〉

  1. 口内炎
  2. 眼症状(ぶどう膜炎)
    • 眩しさを感じる
    • ものが霞んで見える
    • 黒いものが飛んで見える(飛蚊症)
    • 眼痛がある
    • 充血
    • 前房蓄膿
  3. 皮疹
    • ニキビ様(ざ瘡)の無菌性小膿疱を体幹四肢に認める(毛包炎、ざ瘡様皮疹)
    • 圧痛を伴う、1~2cmほどの紅斑を下肢や前腕に認める(結節性紅斑様皮疹)
    • 四肢に痛みを伴う皮下策状硬結を触れる(血栓性静脈炎)
  4. 外陰部潰瘍

〈 副症状 〉

  1. 関節痛がある
    • 通常は変形や硬直は伴わない
  2. 副睾丸炎
  3. 消化器症状(腸管ベーチェット)
    • 腹痛
    • 血便がある
    • 慢性の下痢がある
    • 特に回盲部が好発部位
  4. 血管病変
    • 大動脈炎
    • 片側の足の腫れや痛みがある(深部静脈血栓)
  5. 神経症状(神経ベーチェット)
    • 痙性麻痺、深部腱反射の亢進(錐体路症状)
    • 頭痛がある
    • 顔面に麻痺がある(顔面神経麻痺)
    • とれつが回りにくい(構音・嚥下障害)
    • 精神症状:記憶障害、うつ症状、被害妄想、多幸、注意力欠如、無関心など
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脊椎関節炎(SpA)

こんな症状があったら、『 脊椎関節炎 』が疑われます

脊椎関節炎疑う症状
  1. 脊椎に関節痛がある
    • 腰背部痛
    • 殿部痛
    • 後頸部痛
    • 脊椎関節炎は、安静では改善せずむしろ運動で改善するのも特徴的です
  2. 末梢関節にも痛みがある
  3. 全身のこわばりがある
  4. 全身症状
    • 発熱がある
    • 倦怠感があるなど

脊椎関節炎は、関節症状のみの場合もありますが、

乾癬やCrohn病や潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患、ぶどう膜炎を合併することがあり、

皮疹や消化器症状、眼症状を認めることがあります。

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IgG4関連疾患(IgG4-RD)

こんな症状があったら、『 IgG4関連疾患 』が疑われます

IgG4関連疾患は、認める臓器ごとに症状が変わるのが特徴的です。

IgG4関連疾患を疑う症状
  1. 涙腺・唾液腺病変
    • 乾燥症状:目の渇き(ドライアイ)、口の渇き(ドライマウス)
    • 涙腺や唾液腺(顎下腺、舌下腺、耳下腺)の腫脹
  2. 肺病変
    • せきや痰が出る
    • 呼吸困難感がある
    • 喘息様の喘鳴がある
  3. 肝臓・胆道・膵臓病変
    • 腹痛がある
    • 眼球や皮膚の色が黄色くなる(黄疸)
  4. 腎・後腹膜病変
    • 腹痛がある
    • 尿量が低下している
    • 水腎症
  5. リンパ節病変
    • リンパ節腫脹
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リウマチ性多発筋痛症(PMR)

こんな症状があったら、『 リウマチ性多発筋痛症 』が疑われます

リウマチ性多発筋痛症を疑う症状
  1. 特に肩、膝、首、股関節といった大関節に痛み、腫脹、圧痛がある(手や足などの小関節に認める場合もあります)
  2. 周囲の上腕や大腿などの筋肉にも痛みがある
  3. 全身症状
    • 発熱がある
    • 全身倦怠感がある
    • 食欲不振がある
    • 体重減少がある
  4. PMRは「巨細胞生動脈炎」を合併することがあるため、側頭動脈の圧痛など巨細胞生動脈炎の症状を認めるかにも注意が必要です
リウマチ性多発筋痛症の特徴について【リウマチとどう違うの?】 こんにちは。今回はリウマチ性多発筋痛症の特徴について解説していきたいと思います! リウマチ性多発筋痛症は、私のおばあちゃ...

抗リン脂質抗体症候群(APS)

こんな症状があったら、『 抗リン脂質抗体症候群 』が疑われます

抗リン脂質抗体症候群は、全身の動脈や静脈に血栓症を起こします

また妊娠中にも胎盤に微小血栓を起こし、これが習慣流産などの妊娠合併症を引き起こします。

 抗リン脂質抗体症候群を疑う症状
  1. 妊娠合併症
    • 3回以上続けての流産歴(妊娠10週以前)がある
    • 子宮内胎児発育遅延がある
    • 妊娠中に血圧が高くなる(妊娠高血圧症候群)
  2. 一過性脳虚血性発作の症状
    • 一過性に、急に片側の手に力が入らなくなり、立ちあがろうとしても片側の足に力が入らなかったが、5分ほどして症状が元に戻った
    • 一過性の症状は、他にも言葉が出ない、呂律が回らない、半身のしびれなどがあり、これが数分後に症状が改善します
  3. 脳梗塞の症状
    • 急に、半身の麻痺、言葉が出ない、呂律が回らない、半身の痺れなどを認め、ずっと続いている
  4. 静脈血栓症の症状
    • 片側の足の腫れや痛みがある
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“今回のまとめ”
  • 膠原病を疑う前に、感染症と悪性腫瘍はしっかりと検索する。
  • 症状は、膠原病の診断にとても重要であるため、主治医には細かいことも伝える。
  • 膠原病の症状は、異なった時期に症状を認めることがあるため、症状が出る度に主治医に伝える。

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※個人個人で症状の違いがあるため、詳細な治療などにつきましては直接医療機関へお問い合わせください。