関節リウマチ

【関節リウマチ】私って抗体陰性なのにリウマチなの??血清反応陰性関節リウマチについて

 先日、関節痛でリウマチ科を受診したら、自己抗体は陰性だけどリウマチですと先生に言われました。
自己免疫疾患なのに、そんなことはあるんですか?

そうでしたか。
確かに、リウマチの自己抗体が陰性なのに、リウマチって先生に言われたら、そんなことあるのかなって思いますよね。
今回は自己抗体陰性、つまり血清反応陰性関節リウマチについて説明していきたいと思います!

ぜひ教えてください!
よろしくお願いしますっ!

リウマチの自己抗体について

関節リウマチは、自己免疫疾患の中の一つですが、自己免疫疾患の特徴である、自己抗体が陽性となります。

リウマチで陽性となる抗体は、ご存知の通り、抗CCP抗体、RFです。

その中でも、リウマチに対して特異度の高い自己抗体は、『抗CCP抗体』です。

特異度とは?

特異度とは「陰性のものを正しく陰性と判定する確率」のことです。

ちょっと難しいですが、

特異度が高いということは、その病気である確率がグッと高くなるということです。

つまり、抗CCP抗体が陽性の場合は、リウマチと確定診断できる確率が高くなります。

 ただし、抗CCP抗体が陽性でも、

腫脹している関節がなかったり、リウマチに特徴的な滑膜炎が客観的に認めない場合は、

自己抗体陽性でも、まだリウマチが発症していない状況も考えられます。

関節痛が続いている場合は、3−6ヶ月毎など定期的にフォローすることをお勧めします。

一方、RF は?

RFは『リウマチ因子』と言われ、名前からいかにもリウマチに特徴的な抗体と連想してしまいますが、

RFはリウマチに対して特異度は高くなく、陽性だからといって確定診断には至りません。

RFは、シェーグレン症候群などその他の疾患でも陽性となるからです。

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リウマチと診断されましたが、抗体が陰性でした。 

リウマチの自己抗体は、『抗CCP抗体』といいました。

しかし、リウマチの方全員が抗CCP抗体陽性となるわけではないです。

抗CCP抗体の陽性率は、およそ『80%』です。

リウマチの『20%』は、抗CCP抗体もRFも陰性なのです。

抗CCP抗体もRFも陰性の方の関節リウマチを『血清反応陰性関節リウマチ、またはseronegative RA』といいます。(seronegative = 血清反応陰性、RA = リウマチ, Rheumatoid Arthritis )

抗CCP抗体は、特異度が高い検査といいましたが、絶対的な検査ではないということです。

血清反応陰性関節リウマチを正確に診断するためには?

① まず、関節痛の原因が他のものがないかを考えることです。

まず、自己抗体陰性の場合は、言ってしまえば関節痛の原因がリウマチでなくてもいいわけです。

なぜなら、自己抗体陰性の場合は、リウマチである根拠が乏しいからです。

なので、関節痛の原因が、その他の原因がないかを探すことが非常に重要です。

関節痛には、『単関節痛』なのか『多関節痛』なのかで、大きく鑑別が別れます。

単関節痛の原因
  • 化膿性関節炎
  • 化膿性以外の感染性関節炎(結核、非定型抗酸菌症)
  • 結晶性関節炎(痛風、偽痛風)
  • 変形性関節症
  • 脊椎関節炎
  • サルコイドーシス
  • 悪性腫瘍の滑膜転移
  • 本当に初期のリウマチなど

単関節痛は、化膿性関節炎、結晶性関節炎、変形性関節症、悪性疾患などが頻度が多いです。

多関節痛の原因
  • 変形性関節症
  • リウマチ性多発筋痛症
  • リウマチ以外の膠原病(SLE、全身性強皮症、成人Still病など)
  • 感染性関節症(特にパルボウイルスB19やB型肝炎、HIVなどのウイルス感染症)
  • 結晶性関節炎(痛風、偽痛風)
  • サルコイドーシスなど

多関節痛は、変形性関節症、主にウイルス性の感染性関節症、リウマチ性多発筋痛症、リウマチ以外の膠原病、などが頻度が多いです。

② 滑膜炎があるのか評価をする

滑膜炎の模式図

https://chugai-ra.jp/about/about02.htmlより引用

次に、関節痛の原因が、他にない場合は、実際に関節に滑膜炎が起きているのかを調べます。

関節は、滑膜という膜で覆われています(上図参照)。

関節炎は、この滑膜に炎症が起き、滑液が溜まったり、滑膜が肥厚(滑膜肥厚)がおこっている状態です。

これを、『滑膜炎』といいます。

外見的に、腫れて腫脹がある関節は、見た目で滑膜炎があると予想できやすいですが、

なかなか外見では、腫れているかはっきりしていない場合は、関節エコーやMRI検査を行います。

関節エコーの方が、簡易的で、炎症がくっきりとわかりやすいのですが、

関節エコー検査は、全ての施設で行っているわけではないので注意してください。

MRI検査の方が、施行可能な施設は多いかと思います。

※ ちなみに、CT検査や造影CT検査でも、滑膜炎の評価はできますが、肩や膝などの大関節の評価は得意ですが、手指などの小関節は不得意のため、一般的には行いません。

私の施設では、関節エコーを気軽にできる施設なので、滑膜炎の客観的評価は、関節エコーで行っています。

関節エコーにおける滑膜炎の見え方

https://www.med.jrc.or.jp/hospital/clinic/tabid/125/Default.aspxより引用

 

血清反応陰性関節リウマチのまとめ 

抗CCP抗体やRF陰性が場合、以上のようにしてリウマチ診断を行っています。

活動性について

血清反応陰性のリウマチは、抗体陰性だからといって、基本的に活動性とは関係ありません。

抗体陰性でも、活動性が高いリウマチの方はいらっしゃいますし、

むしろ、血清反応陰性関節リウマチの方が、活動性が高いことが多いといわれることもあります。

血清反応陰性関節リウマチの治療について

治療については、基本的に自己抗体陽性となるリウマチと同じになります。

生物学的製剤のオレンシア®︎(アバタセプト)については、抗CCP抗体やRFが陽性のリウマチの方が治療効果が高かったという報告もあり、抗体陰性の場合は、オレンシア®︎の使用を控え、別の生物学的製剤を選択する場合もあります。

ただし、オレンシア®︎が効果がないわけではないので、使ってみないとわからない部分もあります。

オレンシア®︎のオートインジェクター

https://www.ononavi1717.jp/area/ra/orencia/drug-faq/40921より引用

“今回のまとめ”
  1. 関節リウマチの20%は、抗CCP抗体、RFが陰性の血清反応陰性関節リウマチ(seronegative RA)である。
  2. 診断には、その他の関節炎の原因がないか、客観的に滑膜炎を見つけることが重要。
  3. 治療は、基本的な関節リウマチと同じ。
  4. リウマチ自体の活動性は、自己抗体陽性、陰性にはかかわらない。
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今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。ご参考になりましたら幸いです? Twitterでのいいねやフォローをして頂けますと励みになりますので、よろしくお願いします?

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