乾癬

ルミセフ®︎(ブロダルマブ)の特徴について【乾癬・強直性脊椎炎・体軸性脊椎関節炎】

こんにちは、今回は ルミセフ®︎(ブロダルマブ)の特徴について【乾癬/強直性脊椎炎/体軸性脊椎関節炎】を取り上げていきたいと思います!

よろしくお願いしますっ!
ルミセフって可愛い名前ですね!

ルミセフ®︎(ブロダルマブ)について

ルミセフ®︎(ブロダルマブ)は、生物学的製剤の一つで、2016年9月に発売されました。

抗IL-17受容体A抗体製剤といわれ、炎症性サイトカインであるIL-17(インターロイキン17)の受容体に対する抗体製剤です。

同じ抗体製剤で、抗体IL-17A抗体製剤であるトルツ®︎(イキセキズマブ)やコセンティクス®︎(セクキヌマブ)があります。

【IL-17阻害薬】トルツ®︎(イキセキズマブ)の特徴について 今回は、乾癬や関節症性乾癬、また脊椎関節炎である強直性脊椎炎に適応がある、トルツ®︎について紹介してみたいと思います。 よろしく...
【 生物学的製剤 】コセンティクス®︎(セクキヌマブ)の特徴について こんにちは、今回はに生物学的製剤の一つコセンティクス®︎(セクキヌマブ)の特徴について取り上げていきたいと思います。 今回は、コ...

適応疾患は?

ルミセフ®︎の適応疾患は、以下のようになります。

尋常性乾癬

関節症性乾癬

膿疱性乾癬

乾癬性紅皮

強直性脊椎炎

X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎

どんな時に良い適応となりますか?

〈乾癬〉・・・紫外線療法を含む既存治療で効果が不十分の場合、また難治性の皮疹や関節症状がある場合に良い適応となります。

〈強直性脊椎炎〉・・・鎮痛薬(NSAIDsなど)でも抵抗性の場合に良い適応となります。

〈X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎〉・・・既存治療薬(NSAIDsなど)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状及び炎症の客観的にしっかりと認められる場合に投与すること。




用法用量は?

1 ~ 3回目1回 210 mg1週間ごとに皮下投与
4回目以降1回 210 mg以降2週間ごとに皮下投与

ルミセフ®︎の用法は、最初の3回目までは1週間ごとに皮下注射し、以降2週間感覚で皮下注射するので、比較的シンプルな打ち方ですね!

薬価について

薬価は、以下のようになります。

シリンジ 210 mg 74,513円

4回目以降の2週ごとなら、1ヶ月2本で約14万9千円です。3割負担ですと、1ヶ月約45000円ほどですね。
トルツ®︎やコセンティクス®︎と値段的には変わり無いですね。

副作用は何がありますか?

5%以上上気道感染(←風邪ですね)
1~5%未満頭痛、発疹、乾癬、関節痛、悪心・嘔吐、注射部位反応など
1%未満毛嚢炎、真菌感染、下痢、腹痛、口腔咽頭痛、
めまい、高血圧など

重大な副作用

基本的には、重大な副作用はほとんどまれです。

  • 重篤な感染症 0.8 %
  • 好中球減少 0.7 %
  • アナフィラキシー 0.02 %

妊婦への投与は?


妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとなっています。

なので、基本的には妊娠時には、一旦中止し、妊娠中に病気が悪化した場合に、投与再開を検討することが多いです。

ルミセフ®︎(ブロダルマブ)の特徴について

中和抗体の出現率は?

抗体製剤には、中和抗体という、抗体製剤の作用を打ち消してしまう抗体が出現する可能性があります。

これは、抗体製剤自体が異物なので、身体の反応として、それを排除しようとして抗体(中和抗体)を作ってしまうのです。

 抗ブロダルマブ結合抗体陽性抗ブロダルマブ中和抗体
乾癬患者における国内臨床試験1.7%
(3 / 177例)
0%
(0 / 177例)
乾癬患者における海外臨床試験2.7%
(122 / 4461例)
0%
(0 / 4461例)
体軸性脊椎関節炎患者における
国際共同臨床試験
0.7%
(1 / 148例)
0%
(0 / 148例)

悪性腫瘍の発現率は?

・ルミセフ®︎の悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の発現率は、一般の乾癬患者で報告されている発現率と変わりありませんでした。

 悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)発現率 
ルミセフ®︎
(ブロダルマブ)
0.4 / 100人年
(発現割合:0.5%,23 / 4461例)
標準化発生比:0.91
[95%信頼区間:0.58,1.37]
一般の乾癬患者さん1.42 / 100人年 

作用機序は?

ルミセフ®︎は、炎症性サイトカインであるIL-17受容体Aに対するモノクローナル抗体です。

一方、先ほど登場したトルツ®︎(イキセキズマブ)やコセンティクス®︎(セクキヌマブ)は、抗体IL-17A抗体製剤で、受容体に対する抗体がルミセフで、IL-17Aを直接ターゲットとしたものが、トルツやコセンティクスとなります。

IL-17Aは関節リウマチをはじめとするさまざまな自己免疫疾患、炎症性疾患やアレルギー反応、細菌感染防御に重要な役割をしている、サイトカインです。

通常は、細菌感染症など防御に役立っていますが、自己免疫疾患では、その働きが過剰になり、炎症性サイトカインが自分を攻撃してしまうのです。

IL-17Aは特に、皮膚や付着部での炎症を惹起し、乾癬および関節症性乾癬に関わる中心的なサイトカイと言われています。

今回のまとめ

ルミセフ®︎は、IL-17Aが結合する受容体に対する抗体製剤で、受容体をブロックすることで、IL-17Aの作用を抑えることができます。

文献)Taams LS, et al. Nat Rev Rheumatol 2018;14:453-466.

L-17Aが角化細胞に作用する模式図

出典:http://www.qlifepro.com/news/20160418/identifying-a-group-of-genes-that-il-17a-induced.html

参考)

  • ルミセフ®︎(ブロダルマブ) 添付文書
  • 金城光代 リウマチ・膠原病の治療薬の使い方 洋土社
  • 浦部 晶夫ら 今日の治療薬 南江堂
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“今回のまとめ”
  • ルミセフ®︎は、乾癬、強直性脊椎炎、体軸性脊椎炎に適応がある。
  • ルミセフ®︎は、抗IL-17受容体A抗体製剤であり、受容体に対する抗体であるのが特徴である。

今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。ご参考になりましたら幸いです? Twitterでのいいねやフォローをして頂けますと励みになりますので、よろしくお願いします?

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