治療薬

【 解熱鎮痛薬 】ロキソニン®︎とカロナール®︎の違い

 こんにちは!今回は【 解熱鎮痛薬 】ロキソニン®︎とカロナールの違いについて取り上げていきたいと思います。

カロナール®︎とロキソニン®︎は、いつもどう違うのかなって思っていました!なので、とても気になります!

ロキソニン®︎とカロナール®︎の違いについて

2つの違いを簡単に言うと、以下のようになります。

① 作用機序が違う。

② 解熱鎮痛効果が違う。

③ 副作用が違う。

まず、ロキソニン®︎は、NSAIDsという抗炎症薬の一つですが、カロナールはアセトアミノフェンという解熱鎮痛薬になります。

(NSAIDsはエヌセイズと読みます。)

また、効果についても、一般的にロキソニン®︎に代表されるようなNSAIDsの方が、カロナール®︎(アセトアミノフェン)よりも強いです。

医師側からすると、ある程度しっかり解熱鎮痛効果を期待したい場合は、ロキソニン®︎のようなNSAIDsを選択し、まずはすこし様子をみたいなという場合には、カロナール®︎(アセトアミノフェン)を選択することが多いです。

そして、両者は副作用にも違いがあります。

今回は、それぞれについてさらに詳しく説明していきますね。

ロキソニン®︎の作用は?

ロキソニン®︎は、一般名でロキソプロフェンといい、前述のとおり『NSAIDs』という種類の解熱鎮痛薬となります。

NSAIDs( Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs )は、「非ステロイド性抗炎症薬」のことです。

つまり、『非ステロイド性』の『抗炎症薬』ということです。

NSAIDsの作用機序として、シクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害します。

NSAIDsが「COX」を阻害することで、起炎物質・発痛増強物質と呼ばれる「プロスタグランジン類」の合成を抑制します。

プロスタグランジン類の合成を抑制することで、抗炎症効果、つまり解熱鎮痛効果を得ています。

NSAIDsの作用機序の模式図

https://toutsu.jp/cure/yakubutsu.html より引用)

 

カロナール®︎の作用は?

一方、カロナール®︎は一般名で「アセトアミノフェン」と呼ばれます。

アセトアミノフェンは、ステロイドでもなければ、NSAIDsでもない解熱鎮痛薬になります。

アセトアミノフェンの解熱効果の機序は、視床下部の体温中枢に作用し、熱放散を増大させ解熱作用を示すと考えられています。

なので、体温中枢に作用しますが、アセトアミノフェン自体には抗炎症効果はありません。

カロナール®︎効果が弱いのは、単純に量(mg)が少ないだけ?

実は、カロナール®︎が痛みに効かないのは、単純に量が少ない可能性があります。

例えば、アセトアミノフェン(カロナール®︎)は300mg、400mgでは、痛みに効かないこともあり、

その場合は、500mgとかに1回量を増やして試してみてください。

そうすると、痛みに効果がある場合があります。

アセトアミノフェン(カロナール®︎)による解熱効果と鎮痛効果は、一般的に以下の容量のように効果が変わります。

POINT

アセトアミノフェン(カロナール®︎)の容量による効果の違い↓

・300 ~ 500 mg(小〜中等量) → 解熱効果

・500 ~ 1000 mg(中〜高容量) → 鎮痛作用

例として、アセトアミノフェンの点滴製剤である『アセリオ®︎』は、1袋にアセトアミノフェン1000mg が入っています。

実際に、救急外来で疼痛で来院された患者さんに、アセリオ®︎を使用すると痛みは一旦落ち着きます。

これは、1000mgという 高容量のアセトアミノフェンを点滴することで、鎮痛効果を得ているのです。

ロキソニン®︎、カロナール®︎の注意点は?

副作用の違い

ロキソニン®︎などのNSAIDsの場合

NSAIDsの副作用で注意が必要なのは『腎機能障害と胃潰瘍』です。

腎機能障害は、ロキソニン®︎などを長期に内服している場合や、高容量のNSAIDsを使用した時、また脱水など腎機能が低下している際に使用することで余計に腎機能悪化させてしまうことが原因となります。

腎機能障害の予防のためには、ロキソニン®︎といったNSAIDsはなるべく痛い時だけにして使用を制限することや、血液検査で腎機能をこまめにチェックするといったことが大切です。

胃潰瘍もまたNSAIDsに特徴的な副作用で、カロナールなどのアセトアミノフェンでは通常起こしません。

NSAIDsにより、胃酸分泌が亢進してしまうことにより胃潰瘍となってしまいます。

なので、胃潰瘍の予防には通常、プロトンポンプ阻害薬(略称:PPI)やレバミピド(ムコスタ®︎)といった胃粘膜防御因子増強薬を併用します。

PPIの仲間

タケキャブ®︎(ボノプラザン)、タケプロン®︎(ランソプラゾール)、ネキシウム®︎(エソメプラゾール)、パリエット®︎(ラベプラゾール)など

ちなみにレバミピド(ムコスタ®︎)はPPIではなく胃粘膜防御因子増強薬と言います。レバミピドの場合は、PPIよりも効果は落ちてしまいますが、全く効果がないわけではありません。

カロナール®︎(アセトアミノフェン)の場合

アセトアミノフェンの副作用で注意が必要なのは『肝障害』です。

通常、カロナール®︎を1日に1500 ~ 2000 mgを超えてくると、肝障害の頻度が高くなるため注意が必要です。

添付文書上は、1日にアセトアミノフェンは4000mgまでとなっています。

目安として、多くても2000mgを使用しても解熱鎮痛効果が得られない場合は、別の解熱鎮痛薬を選択すべきです。

今回のまとめ

NSAIDs
(ロキソニン®︎など)
アセトアミノフェン
(カロナール®︎など)
解熱効果
鎮痛作用○ 高い○ 低い(容量による)
抗炎症作用✖️
市販薬ロキソニンSなどタイノールA、バファリンルナなど
副作用腎機能障害
胃潰瘍
時にアスピリン喘息
肝障害

参考)

  • カロナール®︎(アセトアミノフェン) 添付文書
  • ロキソニン®︎(ロキソプロフェン) 添付文書

今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。ご参考になりましたら幸いです? Twitterでのいいねやフォローをして頂けますと励みになりますので、よろしくお願いします?

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