関節リウマチ

アクテムラ®︎(トシリズマブ)の特徴【RA】

今回は、IL-6阻害薬の一つアクテムラ®︎(トシリズマブ)について説明していきます。


〜 The Point 〜

  1. アクテムラはIL-6阻害薬の一つです。
  2. 2週に一回の皮下注射。効果不十分の場合は、1週に一回まで可能。
  3. 強い抗炎症効果が期待される。→ 採血のCRPを著明に減少させる効果がある。

アクテムラ®︎(トシリズマブ)は、IL-6阻害薬の一つで、日本で開発された薬剤としても重要です。

用法は、2週に1回の皮下注射を行います。皮下注射なので、自宅での治療が可能です。また、効果が不十分であった場合、1週に1回まで回数を増やすことが出来ます。

アクテムラ®︎の皮下注射製剤




IL-6というのは、サイトカインという炎症性タンパクの一つで、IL-6は炎症において中心的に働くサイトカインです。血液検査のCRPというの項目を聞いたことがあるでしょうか。CRPは、採血で分かる炎症反応を示す指標で、この値が高いと身体に炎症が沢山出ていますを表しています。

CRPは、サイトカインのIL-6によって、肝臓から作られるため、アクテムラでIL-6を阻害することで、CRPの産生を減少させてくれます。以上から、アクテムラを打っている患者さんは。CRPの値が低下し炎症を抑えてくれるのです。通常は、ほぼ0にまでなります。

これにより、アクテムラは強力な抗炎症効果を発揮します。ただ、アクテムラはその高い抗炎症効果から、一度始めると中々止めずらい傾向があります。

また、アクテムラは、最近では新型コロナ肺炎の治療薬としても注目を集めています。新型コロナ感染症、いわゆる通常の咳、鼻水、咽頭痛といった風邪症状では使用されませんが、レントゲンやCT検査にて肺炎を認めた場合に使用が考慮されますが、日本ではまだ正式に認可はおりていないと思われます。

では、何故新型コロナ肺炎にアクテムラが使用されるのでしょうか?

新型コロナの肺炎は、ウイルス自体の影響より、ウイルスに反応した自分の免疫が過剰になり、肺を攻撃してしまうことが分かっています。つまりコロナ肺炎は、リウマチや膠原病と同じ、過剰な自己免疫から生じるものであるため、抗炎症効果のあるアクテムラや、ステロイドが使用されるのです。日本では、コロナ肺炎に対しては、ステロイドの使用が認可されています。

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