こんにちは、今回はリウマチ因子と呼ばれる「RF」について取り上げていきたいと思います!
RF = リウマチ因子ってことは、リウマチなの?!
関節痛があった際などに血液検査にてしばしば取られるRFは、名前をリウマチ因子といいますが、その名前から陽性ならばついつい「えっ?!私ってリウマチなの?」と思ってしまう方も多いかと思います。
ですが、RF陽性 = 関節リウマチとするにはまだ早いです!焦らないでください!
実は、RFはリウマチ以外の疾患でも上昇することがよくあります。
RFは健常者でも陽性になる?
RFは、健常若年者の最大で4 %、高齢者では最大で25 %で陽性となります。
ただし、健常者の場合は弱陽性〜中等度陽性となり、著明に上がることは基本的にありません。著明な上昇を認めた場合は、背景に何か疾患が隠れている可能性が高く、より詳しく調べる必要があります。
RFはリウマチ以外でも上昇する?
RFはリウマチ因子と呼ばれるため、リウマチと連想してしまいがちですが、実はリウマチ以外の疾患でも上昇します。
下にRFが陽性となる疾患を表にまとめたのでご参照下さい。
膠原病 | シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、全身性強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎、クリオグロブリン血栓性血管炎 |
感染症 | 感染性心内膜炎、B型肝炎、C型肝炎、ウイルス感染症(パルボウイルスB19、風疹、ムンプス、HIV、インフルエンザ)、結核、梅毒、ハンセン病 |
肺疾患 | 間質性肺炎、珪肺 |
肝疾患 | 原発性胆汁性肝硬変、肝硬変 |
その他 | 回帰性リウマチ、サルコイドーシス、一部の悪性腫瘍、ワクチン接種後 |
膠原病の中では、特にシェーグレン症候群やクリオグロブリン血栓性血管炎では、RFが強陽性になることが知られています。その他、全身性エリテマトーデスや強皮症などでも陽性となります。
また、シェーグレン症候群や全身性エリテマトーデスなどでも関節痛/関節炎は起きるため、RF陽性の関節炎だからと言って関節リウマチとは限りません。
他に、感染症や一部の悪性疾患、肝硬変などでもRFは陽性となるため、それらの合併症がある場合は、そちらの疾患による上昇である可能性もあるため注意が必要です。
ただし、注意が必要なことは、RF陽性かつ抗CCP抗体陽性の場合は、現在無症状でも将来RAを発症するリスクが高いことが示されており、その場合は、今後関節症状の出現がないか注意して経過をみる必要があります。
RFのリウマチの診断特異度は高くない。(陽性でも確定診断に使えない。)
特異度とは、「陰性のものを正しく陰性と判定する確率のこと」です。
えっ、どうゆうこと?難しいな。
と思われた方もいるかと思います。
わかりやすく言うと、特異度が高いと陽性であった場合に、その疾患である可能性が高くなります。
つまり、特異度は「確定診断」に使える検査となります。
抗CCP抗体の特異度
リウマチの抗CCP抗体は、RFと比べて特異度が高い検査項目で、
その特異度は「95~98%」と言われ、とても高い特異度となります。
つまり、抗CCP抗体陽性で、関節の腫脹や圧痛、痛みがあればリウマチと診断される可能性が非常に高くなります。
一方、RFのリウマチに対する特異度は高くなく、陽性であっても必ずしもリウマチとは言い切れません。
以上から、RFは確定診断には使えない検査ですので、陽性だからといってリウマチと先走らないで下さい。
RFは必ずしも活動性を反映するの?
リウマチ患者さんで、時々採血結果のRFの値を重視されている方がいらっしゃいますが、RF自体はリウマチの活動性を直接表している訳ではなく、RFは少し高くなっているからといって、リウマチが悪くなっていると判断すべきでありません。
RFが活動性を反映する場合はありますか?
RFが経時的に上昇している場合は活動性と反映している場合があり、リウマチ症状が悪化していないか注意が必要です。
(※ただし、稀ではありますが悪性関節リウマチなどでは、著明にRFが上昇を認める場合もあります。)
リウマチの活動性はどうやってみますか?
リウマチの活動性は、関節の腫れや痛み、腫脹した関節数、血液検査のCRPやESR 1h(赤沈1時間値)、関節エコーの所見などで総合的に判断します。
- RF(リウマチ因子)は健常者でも陽性になる。(健常若年者の最大で4%、高齢者では最大で25%)
- RFはリウマチ以外の病気でも陽性となる。
- RF陽性かつ抗CCP抗体陽性は、将来リウマチを発症するリスクが高いため注意が必要である。
今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。参考になりましたら、高評価、コメントを頂けましたら嬉しいです?またTwitterのフォローもお願いします?
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※個人個人で症状の違いがあるため、詳細な治療などにつきましては直接医療機関へお問い合わせください。