血管炎

高安動脈炎(大動脈炎症候群)について【TA】


〜 The Point 〜

  • 高安動脈炎は、大型血管炎の一つ。
  • 症状は、全身症状の他に、狭窄や閉塞による脳・上肢・下肢の虚血症状がある。
  • 特徴的な抗体はなく、症状、血液検査や画像検査などで総合的に診断される。

こんにちは、今回は高安動脈炎について取り上げていきたいと思います!高安動脈炎は、大型血管炎の一つで、別名「大動脈炎症候群」とも呼ばれています。

高安動脈炎ってどんな病気?

高安動脈炎って、日本人の名前が入っていますが、そうです、1908年に金沢大学眼科教授の「高安右人博士」によって発見された病気です。

男女比は、1:9と女性に多く、好発年齢は20歳前後と若年女性に多い病気です。また、国内の患者人数は特定疾患の調査から「およそ7000人」の方が登録されています。

高安動脈炎とは、その名の通り動脈に炎症が起きる病気で「大動脈、その分枝した動脈、冠動脈、肺動脈」に炎症が起きる大型血管炎です。(冠動脈とは、心臓を栄養する血管で、閉塞すると心筋梗塞の原因となる血管です。)

症状は何がありますか?

動脈の炎症自体による、「全身症状」と、炎症により動脈が肥厚、閉塞あるいは拡張した影響による「脳虚血症状」、「上肢症状」や「下肢症状」があります。(虚血とは血液の流れが悪いということです。)

  • 全身症状‥微熱または高熱、全身のだるさ、感冒様症状、体重減少、食欲不振など
  • 脳虚血症状‥めまい、失神など
  • 上肢症状‥易疲労感、しびれ感、上肢痛、脈の消失、血圧の左右差など
  • 下肢症状‥間欠性跛行、しびれ感、下肢痛など




検査は何がありますか?

検査は、一般的な血液検査、尿検査、胸部レントゲンの他に、造影CT(または単純CT)、血管エコー、MRA検査、血管造影検査などを行います。

MRA検査とは、MRI検査の血管のみを抽出した画像の検査です。ガドリウム造影剤を使用して撮像します。ガドリウム造影剤は、一般的なCT検査のヨード造影剤と違い副作用は少ないとされています。

また最近では、PET-CT検査を行い、より血管炎の局在などがはっきりわかるようになりました。2018年4月より、大型血管炎(高安動炎または巨細胞性動脈炎)の診断がついている方は、PET-CTの保険適用も認められるようになり、PET検査がより受けられやすくなりました。

※高安動脈炎または巨細胞性動脈炎の診断がついていない場合は、保険適応外になりますのでご注意ください。

PET-CTの画像。大動脈がリング状に描出されている。

血液検査ではどこに注目しますか?

血管の炎症を見るためにまず、白血球(WBC)、CRPやESR(赤血球沈降速度:通称赤沈(セキチン)などと略します)を確認します。ESRは、1時間値をみてください。「ESR 1h」などと記載されています。

その他、Hb(ヘモグロビン)で貧血をみたりします。なぜ貧血を見るのかというと、慢性的な炎症が起こっている場合は、赤血球の造血障害が起こり、「慢性炎症による貧血」が起きるためです。

また、遺伝的素因として「HLA-B52」という項目を採血で確認する場合もあります。

目的
白血球(WBC)、CRP、ESR炎症の評価
Hb(ヘモグロビン)貧血の評価
HLA-B52遺伝的素因
採血のポイント

特徴的な抗体はありますか?

残念ながら、高安動脈炎には、特徴的な抗体は現在のところ見つかっておりません。診断には、臨床症状、血液検査、画像検査などから総合的に判断し診断を行います。

高安動脈炎と関連する症状や所見が40歳以下で出現。
一肢以上(特に上肢)で、運動時に筋疲労や不快感が出現する。
片側または両側上腕動脈の脈動の低下。
両上肢間で収縮期血圧に10mmHg以上差がある。
片側または両側の鎖骨下動脈、または腹部大動脈で血管雑音を聴取する。
大動脈、主要分枝、四肢の中枢の大血管で画像上の狭窄や閉塞を認める。
ただし、動脈硬化、繊維筋性異形成などによるものではない
→ 6項目中、3項目以上で分類(診断)されます。
アメリカリウマチ学会の分類基準(1990年)

鑑別疾患はありますか?

もし、診断がなかなか確定できない場合は、以下の疾患などを鑑別にあげて、それらの可能性がないかも検索していきます。

  • 動脈硬化症
  • 先天性血管異常
  • 炎症性腹部大動脈瘤
  • 感染性動脈瘤
  • 梅毒性中膜炎
  • 巨細胞性動脈炎
  • 血管型ベーチェット病
  • IgG4関連疾患

今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。参考になりましたら、高評価、コメントを頂けましたら嬉しいです🥝またTwitterのフォローもお願いします🕊

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