関節リウマチ

使用中の生物学的製剤が効かなくなった時はどうしたらいいですか?【一次・二次無効】

こんにちは、今回は「 使用中の生物学的製剤が効かなくなってしまった場合の対応 」 について取り上げていきたいと思います。

私も、使用していた生物学的製剤が最近、効きが悪くなったように感じていたので、詳しく知りたいです。

使っている生物学的製剤が効かなってくる場合がある

生物学的製剤は、自己免疫疾患の分野では、関節リウマチ、乾癬、潰瘍性大腸炎、クローン病、全身性エリテマトーデス、アトピー性皮膚炎などに使用される、有効性の高い治療薬ですが、

残念ながら、使用開始してもあまり症状が改善しなかったり、使用している中で効果がなくなってしまう場合があります。

こういった生物学的製剤を使用するも効果が乏しい場合を、主に『 一次無効、二次無効 』といいます。

一次無効

生物学的製剤を投与したときに、最初から全く反応がない場合一次無効といいます。

二次無効

二次無効とは、いったん改善するも、その後しばらくして効果がなくなってくる場合をいいます。

二次無効の原因について

いったん良くなってのに、なぜまた症状が再燃してしまうのですか?

二次無効が起こってしまう原因については、全てわかっている訳ではないのですが、

わかっている理由の一つとして、

その生物学的製剤に対する『 中和抗体 』ができてしまうことによります。

中和抗体ができてしまうことによって、せっかく生物学的製剤を投与したとしても、身体の中で無効化されてしまうのです。

また、中和抗体については、関節リウマチに限らず、乾癬、潰瘍性大腸炎、クローン病、アトピー性皮膚炎といった他の自己免疫疾患でも産生される可能性があります。

せっかく、高い生物学的製剤を使っているのに、効かなくなってしまうのは、悲しいですね。。。

二次無効を予防するために

TNF阻害薬では、二次無効を予防するために大切なことがあります。

それは、

生物学的製剤に加えて、メトトレキサート(リウマトレックス®︎ / メトレート®︎)を併用することです。

TNF阻害薬で、メトトレキサートを使用する理由の一つに、身体の中で中和抗体が出来ることを防ぐことがあります。

中和抗体を作るのも免疫細胞の働きによるものなので、免疫抑制薬であるメトトレキサートを使用することで、中和抗体の産生を防ぐことができるのです。

無効となった時の対応について

では、関節リウマチや乾癬などで生物学的製剤を使用中に、無効となってしまった場合にどういった対応があるのでしょうか。

生物学的製剤が無効となった場合の対応として、主に以下の3つを検討します。

  1. 現在使用中の生物学的製剤を増量または投与間隔を短縮する
  2. 別の生物学的製剤に切り替える
  3. JAK阻害薬の適応のある疾患の場合は、JAK阻害薬に切り替える

現在使用中の生物学的製剤を増量または投与間隔を短縮する

生物学的製剤が無効となってしまった場合は、

使用中の生物学的製剤の増量や投与間隔の短縮を検討することも一つの方法です。

例えば、関節リウマチで使われるTNF阻害薬である「 シンポニー®︎(ゴリムマブ) 50 mg / 4週毎 」で使用していたとしたら、100 mg / 4週毎 」に増量してみる、といった具合です。

ただし、増量や投与間隔の短縮は、変更しても効果が不十分であったり、量が倍になると薬価も倍になったりと経済的な負担もかなり増えてしまうため、以下のを検討することも非常に有効です。

量や投与期間の短縮は、その分お薬代も上がってしまうので、金銭的に難しいという問題も出てきます。

別の生物学的製剤に切り替える

無効となってしまった場合の別の方法として、別の生物学的製剤への切り替えることも有効な手段です。

選択肢としては、

  1. 別の作用機序の生物学的製剤に切り替える
  2. 同じ作用機序の生物学的製剤に切り替える

別の作用機序の生物学的製剤に切り替える

別の作用機序の生物学的製剤に切り替えるとは、

例えば関節リウマチの場合は、TNF阻害薬が効果乏しい時は、IL-6阻害薬(アクテムラ®︎など)やT細胞選択的共刺激調節薬(オレンシア®︎)に切り替えるといった感じです。

一次無効の場合は、その作用機序の生物学的製剤そのものの効果が乏しいと考えられるため、通常は別の作用機序のものに変更します

(あるTNF阻害薬で一次無効ならば、それ以外のTNF阻害薬も無効である可能性が高いということです。)

同じ作用機序の生物学的製剤に切り替える

中和抗体は、その生物学的製剤に対する抗体なので、同じ作用機序の別のものに変更する事ができます

例えば、あるTNF阻害薬(レミケード®︎)が効かなくなってきたため、別のTNF阻害薬(ヒュミラ®︎など)に変更してみる。

ただし、TNF阻害薬そのものが、効きにくくなっている可能性もあるため、注意が必要です。

JAK阻害薬の適応のある疾患の場合は、JAK阻害薬に切り替える

最後に、生物学的製剤からJAK阻害薬に切り替えるという方法もあります。

JAK阻害薬は、ある一つの炎症性サイトカインを阻害する生物学的製剤と違い、多種類の炎症性サイトカインを阻害するため、より強い治療効果が得られます

そのため、ある一つ炎症性サイトカインを阻害するだけでは、その病状が抑えられない場合は、JAK阻害薬に変更することも、有力な方法です。

ただし、心疾患リスクがある方や悪性腫瘍の合併がある方については、JAK阻害薬の使用については、それらを悪化させてしまう可能性があるため、変更には十分な検討が必要です。

詳しくは、以下をご参考ください。

JAK阻害薬『トファシチニブ(ゼルヤンツ®︎)』に伴う心血管リスクと癌リスクについて【関節リウマチ】 こんにちは、今回は「JAK阻害薬『トファシチニブ(ゼルヤンツ®︎)』に伴う心血管リスクと癌リスクについて」取り上げていきたいと思います...

まとめ

“今回のまとめ”
  1. 生物学的製剤が無効となる場合は、主に一次無効と二次無効がある。
  2. 中和抗体が産生されてしまうことが、二次無効の主な原因である。
  3. 無効となってしまった場合は、現在使用中の生物学的製剤を増量または投与間隔を短縮する、別の生物学的製剤に切り替える、 JAK阻害薬が適応のある疾患は、JAK阻害薬に切り替えるといった方法がある。
手術の時の生物学的製剤の対応はどうしたら良いですか?【関節リウマチ】 こんにちは、今回は関節リウマチの手術時の生物学的製剤の対応について取り上げていきたいと思います。 私もリウマチで、手術となった時...




〈参考〉

  • 金城光代 リウマチ・膠原病の治療薬の使い方 洋土社
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今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。ご参考になりましたら幸いです🥝 Twitterでのいいねやフォローをして頂けますと励みになりますので、よろしくお願いします🕊

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