アレルギー性鼻炎

ゾレア®︎(オマリズマブ)の特徴について【気管支喘息 / 季節性アレルギー性鼻炎 / 慢性蕁麻疹】

こんにちは、今回は喘息、季節性アレルギー性鼻炎、特発性慢性蕁麻疹に適応のある『ゾレア®︎(オマリズマブ)』について取り上げていきたいと思います!

ゾレアは、抗IgE抗体製剤のやつですよね!ぜひ、お願いしますっ!

ゾレア®︎(オマリズマブ)の特徴について

ゾレア®︎(オマリズマブ)は、2009年3月に発売された生物学的製剤で、生物学的製剤の中では、比較的歴史のある薬剤になります。

ゾレア®︎は、抗IgE抗体製剤(ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体製剤)で、アレルギーに関与するIgEを阻害することで、気管支喘息などの治療に用いられます。

IgEとは

IgE(Immunoglobulin E)は、IgGやIgMといった免疫グロブリンの仲間で、主にB細胞から産生され、マスト細胞(肥満細胞)を刺激し、ヒスタミンなどの化学伝達物質を分泌を促します。

IgEは、『即時型アレルギー』に中心的に関わっています。

即時型アレルギーとは、蕁麻疹やアレルギー性鼻炎といった、抗原に対して急速(即座)にアレルギー症状(痒み、発疹、鼻汁など)が出るタイプのアレルギーのことを言います。

まとめ

IgEは、即時型アレルギーに中心的に関わるタンパク質(免疫グロブリン)である。

適応疾患は?

ゾレア®︎の適応疾患は、以下のようになります。

  • 気管支喘息
  • 季節性アレルギー性鼻炎
  • 特発性慢性蕁麻疹

どんな時に適応となりますか?

喘息・・・喘息の方の場合は、以下の項目を全て満たす場合に、よい適応となります。

  1. 高用量の吸入ステロイド薬や複数の喘息治療薬を併用しても、喘息症状が安定しない
  2. 通年性吸入抗原に対して陽性となる。
  3. 体重および初回投与前血清中総IgE濃度が投与量換算表で定義される基準を満たす。

季節性アレルギー性鼻炎・・・季節性アレルギー性鼻炎の方の場合は、以下の項目を全て満たす場合に、よい適応となります。

  1. 原因となる花粉抗原に対し、血清特異的IgE抗体検査等で陽性を示す。
  2. 過去の治療において、花粉抗原の除去と回避を行ったうえで、鼻噴霧用ステロイド薬とケミカルメディエーター受容体拮抗薬を併用しても、重症又は最重症のアレルギー性鼻炎症状が認められた場合
  3. 体重及び初回投与前血清中総IgE濃度が投与量換算表で定義される基準を満たす

また、ゾレア®︎にヒスタミンH1受容体拮抗薬に追加して投与します

特発性慢性蕁麻疹・・・特発性慢性蕁麻疹の方の場合は、以下の項目を全て満たす場合に、よい適応となります。

  1. 食物、物理的刺激等の蕁麻疹の症状を誘発する原因が特定されない
  2. ヒスタミンH1受容体拮抗薬の増量などの適切な治療を行っても、日常生活に支障をきたすほどの痒みを伴う膨疹が繰り返して継続的に認められる。

通年性抗原とは

アレルギーの抗原は、『 通年性 』『 季節性 』に分かれます。

それぞれを表にまとめましたので、ご参考ください。

通年性抗原 季節性抗原
シングルアレルゲン ヤケヒョウダニ
ハウスダスト
イヌ、ネコ
ガ、ゴキブリ
スギ
ヒノキ
ハンノキ
カナムグラ
マルチアレルゲン カビ
(ペニシリウム、クラウドスポリウム、アスペルギルス、アルテルナリア、カンジダ、マラセチア)
イネ
(カモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリ、ギョウシバ、アシ)
雑草
(ブタクサ、ヨモギ、フランス菊、タンポポ、アキノキリンソウ)

  • シングルアレルゲンとは、検査をするときに、一つずつ検査ができるものです。
  • マルチアレルゲンとは,複数のアレルゲンを種類別にひとつの固相に結合させたもので、構成シングルアレルゲンのいずれかに対する特異的IgE抗体が存在するか否かを測定するスクリーニング的な検査です。




用法は?

ゾレアには、75 mg シリンジと 150 mg シリンジ の皮下注製剤があります。

気管支喘息

1回 75〜600 mg 2 又は 4 週間毎に皮下注射する。

1回あたりの投与量並びに投与間隔は、初回投与前血清中総IgE濃度及び体重に基づき、下記の投与量換算表により設定します。

季節性アレルギー性鼻炎

1回 75〜600 mg初回2 又は 4 週間毎に皮下注射する。

1回あたりの投与量並びに投与間隔は、初回投与前血清中総IgE濃度及び体重に基づき、下記の投与量換算表により設定します。

※成人および12歳以上の小児が対象となります。

投与量換算表(1回投与量)

4週間毎投与

2週間毎投与

特発性慢性蕁麻疹

1回 300 mg4週間毎に皮下注射する。

※成人および12歳以上の小児が対象となります。

薬価について

薬価は、以下のようになります。

75 mg シリンジ 14,768 円。

150 mg シリンジ 29,104 円。

150 mg 300 mg
2週間毎 3割負担 17,400円
2割負担 11,600円
1割負担 5,800円
3割負担 34,800円
2割負担 23,200円
1割負担 11,600円
4週間毎 3割負担 8,700円
2割負担 5,800円
1割負担 2,900円
3割負担 17,400円
2割負担 11,600円
1割負担 5,800円

ゾレア®︎は、患者さんごとに用量が違うので、少し注意が必要ですね。

副作用は?

主に、以下の副作用が報告されています。

5%以上注射部位紅斑、腫脹
5%未満頭痛
蕁麻疹
そう痒感
疼痛など
1%未満鼻咽頭炎
血小板減少
傾眠、めまい
消化不良
悪心
掻痒症、発疹
四肢痛、筋骨格痛など
頻度不明上気道感染、咽頭炎
出血
失神
起立性低血圧
血管浮腫
関節痛など

ゾレア®︎は、基本的には重篤な副作用が少ない薬剤です。

重大な副作用

  • アナフィラキシー 頻度不明




ゾレア®︎(オマリズマブ)のエビデンス

気管支喘息のエビデンス

国内第Ⅲ相試験1)

  • 試験デザイン:無作為化二重盲検比較試験
  • 対象:高用量吸入ステロイドおよびその他の標準治療を受けているにもかかわらず喘息がコントロールされていない中等症から重度の日本人患者(20 ~ 75歳) 315名16週間の試験期間を完遂した。

国内第Ⅲ相試験において、ゾレア®︎(オマリズマブ)は、

  1. ピークフロー(PEF)の増加効果
  2. 喘息発作増悪の予防効果

を示しました。

ピークフロー(PEF)の増加効果

朝のピークフロー(PEF)のベースラインからの変化量は、ゾレア®︎(オマリズマブ)群では +15.45 L/minで、プラセボ群では +2.25 L/minとなり、統計的な有意差が認めた(p=0.0004)

喘息発作増悪の予防効果

16週間の観察期間内で、重大な喘息発作増悪は、ゾレア®︎(オマリズマブ)群では 6例(4.0 %)で、プラセボ群で 18 例(11.0 %)で、喘息増悪のリスクのオッズ比は、0.32 であった(群間差:13.19 L/min、 p=0.00192)

安全性 Safety

有害事象の発生率は、ゾレア®︎(オマリズマブ)群より多く認められた注射部位反応を除きプラセボ群で同程度であった。

季節性アレルギー性鼻炎のエビデンス

国内第Ⅲ相試験2)

  • 試験デザイン:無作為化二重盲検比較試験
  • 対象:スギ花粉シーズンに既存治療で鼻症状が効果不十分であった 12 歳以上のスギ花粉症患者 332例
  • ゾレア®︎(オマリズマブ)群 158例、プラセボ群 174例を無作為に分け、12週間観察した。

国内第Ⅲ相試験において、ゾレア®︎(オマリズマブ)は、

  1. 症状ピーク期の鼻症状の低下効果
  2. 眼症状やQOLでも改善傾向

を示しました。

症状ピーク期の鼻症状の低下効果

観察期間12週間中の、症状ピーク期のNasal Symptom Scoreは、ゾレア®︎(オマリズマブ)群が3.65±1.56(平均値±標準偏差)で、プラセボ群が 4.70±2.18 であり、プラセボ群に比べてゾレア®︎群統計的に有意に低かった(投与群間差(本剤群−プラセボ群、最小二乗平均値[95%CI]は−1.03[−1.44、−0.62]p<0.001)

Nasal Symptom Scoreは、鼻症状合計スコア(0~12点)のことです。

眼症状やQOLでも改善傾向あり

眼症状(眼のかゆみ、涙目)及び QOL(quality of life : 生活の質)の有効性についても、プラセボ群と比較してゾレア®︎群で改善する傾向が認められた

安全性 Safety

有害事象の発生率は、ゾレア®︎群プラセボ群で同程度であった。

ゾレア®︎(オマリズマブ)の作用機序は?

https://kusuri-jouhou.com/medi/allergy/omalizumab.html より引用)

ゾレア®︎は、抗IgE抗体製剤で、体内のIgEに結合し、IgEの効果を無効化することで、抗アレルギー効果を得ています。

IgE(Immunoglobulin E)は、IgGやIgMといった免疫グロブリンの一つです。

IgEは、『即時型アレルギー』に中心的に関与しているタンパク質(免疫グロブリン)です。

主にB細胞(リンパ球の一つ)から産生され、マスト細胞(肥満細胞)を刺激します。

マスト細胞からは、『ヒスタミン』などの化学伝達物質が分泌されます。

このヒスタミンによって、痒み、鼻炎といったアレルギー症状を引き起こします。

以上から、ゾレア®︎は、IgEを直接ブロックすることでマスト細胞からのヒスタミンなどの化学伝達物を分泌を抑制し、喘息やアレルギー性鼻炎、慢性蕁麻疹といったアレルギー症状を抑えます

ちなみに、アレロック®︎やアレグラ®︎といった、抗ヒスタミン薬は、このヒスタミンをブロックすることで、アレルギー症状を抑えています。

〈参考〉

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“今回のまとめ”
  • ゾレア®︎(オマリズマブ)は、抗IgE抗体製剤である。
  • 気管支喘息、季節性アレルギー性鼻炎、慢性蕁麻疹に適応がある。
  • 気管支喘息には、ピークフローの増加効果、喘息発作増悪の予防効果を、季節性アレルギー性鼻炎では、鼻症状、眼症状、QOLの改善効果をもつ。

今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。ご参考になりましたら幸いです🥝 Twitterでのいいねやフォローをして頂けますと励みになりますので、ぜひよろしくお願いします🕊

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