検査のみかた

【 簡単!】3分でわかる尿検査の見方


こんにちは!今回は、誰もが検査したことのある「尿検査の見方」を、簡単に解説していきたいと思います!

それでは早速やってきましょう!

尿検査でわかるもの

まずは、尿検査で何を見ているのかを知ることが大切です。

それは、ズバリ!

  • 糸球体に異常があるか。
  • 尿路感染症があるか。
  • 糖が漏れているか。

を主に見ています。

腎臓の先生は、その他にNaやKといった電解質などの排泄など専門的なことをみていたりしますが、患者さんの立場では、そこまでこだわる必要はないと思います。

まずは、要点を抑えて理解することが大切です。




尿定性と尿沈渣

尿検査は、通常「尿定性と尿沈渣」を検査します。

尿定性検査は、テープを用いた検査です。テープの色の変化で陽性、陰性、また(-)(±)(+)(++)(+++)などで表現されます。

尿沈渣は、尿を遠心分離して得られた沈殿物を評価します。

沈殿物には細胞成分や円柱、結晶成分などがあります。

※ 尿定量検査を行うこともありますが、ここでは割愛します。

尿検査でわかること その①『 糸球体の異常 』

系球体の異常でチェックする項目 3つ

異常値
尿タンパク(2+以上)
尿潜血(2+以上)
赤血球> 5個 / HPF

尿は、腎臓にある「糸球体」という最小の器官から作られています。糸球体とは、腎臓に運ばれてきた血液の中にある不純物を取り除く濾過装置のことです。

糸球体で、血液から尿が濾し取られ尿が作られます。糸球体に異常がある場合は、尿検査にて『尿タンパク』『血尿』を認めます。

具体的には、糸球体に異常が起きると、血液中のタンパク質や赤血球が尿に漏れ出てきます。

タンパク質は尿細管で再吸収されますが、再吸収の能力を上回ってしまうと、尿としてタンパクが出てきます。

血尿は、『尿潜血や赤血球』で評価します。赤血球は、「5個以上/HPF」で異常と判断します。

大事なことは、血尿、タンパク尿が出ていたら『糸球体に異常があること』を示唆しているということです。

※ 健常な方でも、生理的タンパク尿を認めたり、発熱時にも認めることがあります。

糸球体の模式図

また、少し上級編ですが、病的円柱というものも糸球体の異常をみています。病的円柱について下で詳しく説明しておりますので、ご参照ください。

糸球体の異常から考えられる疾患

  • IgA腎症
  • 微小変化型ネフローゼ症候群
  • 膜性腎症
  • 半月体形成性糸球体腎炎
  • 糖尿病性腎症
  • 腎不全など

尿検査でわかること その②『 尿路感染症 』

尿路感染症でチェックする項目 3つ

異常値
白血球(+) or > 5個 / HPF
細菌(+)
亜硝酸塩(+)

尿検査で、もう一つ重要なことは、尿路感染症があるかを見ることです。

尿路感染症は、『白血球、細菌、亜硝酸塩』を評価します。

白血球や細菌は、尿中に細菌がいたり、それに反応して白血球が増えているのかがわかります。

亜硝酸塩は、尿中に細菌が大量に存在すると、細菌が出す酵素(硝酸塩還元酵素)によって硝酸が亜硝酸へ還元される原理を利用した検査項目です。

※ ただし、同酵素を持たない腸球菌緑膿菌は陰性となります。

女性は、感染症でないのに白血球や細菌を認めやすい?!

女性は、解剖学的に尿道が男性と比べて短く、細菌尿を認めやすいです。

細菌に反応して白血球も認めやすく、熱や排尿時痛などがないのに、尿検査では白血球や細菌が陽性となることが多々あります。

通常、このことを『無症候性細菌尿』といいます。

無症候性細菌尿 = 尿路感染症ではないので、細菌や白血球が陽性だからといって、過度に心配する必要はありません。

ただし、女性の方が解剖学的観点から膀胱炎等を繰り返しやすい性質があります。

尿検査でわかること その③『 糖が漏れているか 』

糖の漏れをチェックする項目 1つ

異常値
尿糖(グルコース)(+)
尿糖陽性とは

尿糖陽性とは、ブドウ糖が尿中に漏れていることを意味します。

通常、ブドウ糖は分子量が小さいので糸球体で100%濾過されます。

しかし、近位尿細管でほとんどが再吸収されるため、通常は検出されません。

尿糖で血糖値を予想できる?

先ほど、ブドウ糖は再吸収されると書きましたが、再吸収できない閾値があります。

その閾値とは、『血糖値 180 mg/dl以上』と考えられています。

つまり、尿糖が出ているということは、血糖値が180 mg/dl以上であることが示唆されます

おまけ : 病的円柱について

https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/inspection/SBK14400/ より引用)

最後に病的円柱を説明していきたいと思います。

病的円柱は、尿タンパクや血尿と同じ、糸球体の異常を表しています。

但し、ちょっと難しいので、そうなんだということで、読み飛ばしてしまっても大丈夫です。

今回は、簡単に表にまとめました。

意義
硝子円柱正常
赤血球円柱糸球体や尿細管の障害激しい糸球体腎炎を示唆
上皮円柱尿細管障害急性尿細管壊死を示唆
脂肪円柱高度の蛋白尿ネフローゼ症候群など
顆粒円柱糸球体や尿細管の異常
ろう様円柱高度の腎機能障害

まとめ

糸球体の異常を評価異常値
尿タンパク(2+以上)
尿潜血(2+以上)
赤血球> 5個 / HPF
尿路感染症を評価
白血球(+) or > 5個/HPF
細菌(+)
亜硝酸塩(+)
血糖値を評価
尿糖(グルコース)(+)
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今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。参考になりましたら、高評価、コメントを頂けましたら嬉しいです?またTwitterのフォローもお願いします?

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