検査のみかた

【見方】医者が見ている、血液検査の見るべき項目 BEST10!

血液検査で見るべき検査項目!

今回は、医者が見ている血液検査の見るべき項目BEST 10 を紹介していきたいと思います!

我々医師は、毎日たくさんの患者さんと接していますが、血液検査の項目も膨大にあり、一つ一つ見ていたら、とてもじゃないですが診療が終わりません。なので、今回は医師がパッと血液検査をみて、毎回どこに注目してみているかを簡単に解説してみたいと思います。

なお、各々の疾患によって、特殊な検査項目があるため(例えば間質性肺炎ならLDHなど)、今回は、一般的な採血の見るべき項目ということにフォーカスを当てていきたいと思います!

また、基準値は、病院によっても多少違いがあるため、参考程度としてください。

① Hb:ヘモグロビン

Hb(HGB)は、ヘモグロビンのことで、血色素ともいいます。

Hbは「貧血」の指標となります。

基準値は、12 〜 16 g/dl の間なら正常範囲となります。

目安として、10以下になると症状も出やすく、原因に合わせた治療を行うことが多いです。(例:鉄剤を飲むなど)

② WBC:白血球

WBCはWhite blood cellの略で、白血球のことです。基準値は、4.0 〜 8.0 (4000〜8000)程度です。

白血球は、感染症(細菌、ウイルスなど)、膠原病などの自己免疫疾患、ステロイド内服時などで上昇します。また頻度は稀ですが白血病などの血液疾患でも上昇することがあります。

逆に、低下する場合もあり、基本的に低下している場合の方が重症な可能性があります。例えば、敗血症などの重症感染症、抗がん剤などによる薬剤性、再生不良性貧血などの血液疾患などがあります。

③ Plt:血小板

Pltは血小板のことです。血液には、血球と呼ばれる成分があり、血球は、白血球、赤血球、血小板の3つからなります。

血小板は、血を固める働きがあります。なので、血小板が低下している場合、消化管出血などの出血時は、血を止められず、致命的となる可能性があり、血小板が正常の範囲にいるということは重要です。

基準値は、14 〜 30万(単位は万)です。

④ Cre:クレアチニン

Creは「クレアチニン」と呼びます。

Cre(クレアチニン)は、「腎機能」の指標となります。

基準値は、0.46 〜 0.79 mg/dl の間なら正常範囲となります。

クレアチニンは、筋肉が運動するためのエネルギー物質が代謝されるときにできる老廃物のため、筋肉量が多い男性の場合は、正常値より多少高くなることがあります。男性の方や、筋肉が発達している方は1以下なら通常問題ありません。

⑤ CRP

CRPは、炎症反応ともよばれ、「身体の炎症」をみる指標となります。

基準値は 0〜0.3 mg/dl 程度です。

例えば、肺炎や尿路感染症といった感染症、関節炎、間質性肺炎、糸球体腎炎、血管炎など、身体に炎症が起きているサインとなります。




⑥ AST/ALT

AST/ALTは、肝逸脱酵素と呼ばれ、肝臓に障害あるときに出される酵素です。

ウイルス性肝炎や脂肪肝、薬による肝障害、うっ血性心不全、脂肪肝、アルコール性肝障害などで上昇します。

⑦ ALP/γ-GTP

ALP/γ-GTPは、主に胆道系を評価するときにみる指標となります。

胆管炎や肝炎、肝硬変、アルコール性肝障害、胆汁うっ滞などで上昇します。

γ-GTPはアルコール摂取のみでも、すぐに上昇してしまうため、血液検査の前日はアルコールはできるだけ控えることをお勧めします。

また、ALPは胆道系以外にも、骨疾患や悪性腫瘍でも上昇します。頻度的には、胆道系で上昇することが多いのですが、骨疾患や悪性腫瘍での上昇が疑われる際は、症状や他の検査と総合的に判断していきます。

⑧ Alb:アルブミン

Albは「アルブミン」のことです。

アルブミンは、血液中に最も多くあるタンパク質で、「栄養状態の指標」となります。基準値は、4.1 〜 5.1 g/dl 程度です。

栄養状態の低い高齢者では、普通の食事をしていても、3点台や2点台となってしまっている場合もあります。

アルブミンが低下すると、血管に水分を保つ力が減るため、浮腫みの原因となってしまうため、最近浮腫みが強くなってきたなと思う方は、アルブミン値にも注目してみてください。

⑨ Na/K:ナトリウム/カリウム

Na ナトリウム

Naは「ナトリウム」のことです。

体の塩分をあらわし、身体に塩分が足りているかいないかを判断することができます。また、身体が脱水傾向のときにも上昇します。

脱水傾向を表す項目として、他に「BUN」「Cre」「UA」があります。BUNは尿素窒素のことで、UAは尿酸値のことです。NaやBUN、Cre、UAが基準値よりも上昇している場合は、身体が脱水である可能性が高いです。(尿酸値は、尿酸が実際に高い場合と、脱水によって上昇している場合があり注意が必要です)

なので、身体が脱水しているかどうかを知りたいときは、「BUN、Cre、UA、Na」に着目してみてください!(脱水は腎機能悪化の1番の原因なので、毎回注目することをオススメします)

K カリウム

Kは「カリウム」のことです。

カリウムは、低下している、上昇しているいずれの場合でも、心臓の不整脈の原因になります。また、致死性不整脈を起こす場合もあり、注意が必要です。

Creが高いといった腎機能が悪い方は、尿からの排泄が低下するため、カリウムのフォローは特に大切になります。食事でもコントロールがつかない場合は、アーガメイトゼリー®︎といった、あまり美味しくないゼリーを内服する場合もあります。(内服時は、フレーバーがついていますのでご安心ください)

⑩ TG/HDL-C/LDL-C:脂肪

TGは中性脂肪を、HDL-Cは善玉コレステロールを、LDL-Cは悪玉コレステロールを表しており、主に体の脂質の指標になります。

その中でもLDL-Cは、動脈硬化に最も影響することがわかっています特に、高血圧や糖尿病のある方は、動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞といった血管病変のリスクが高くなることがわかっており、注意が必要です。

LDL-Cは、正常範囲内にコントロールすることが大切ですが、食事運動療法で、改善が難しいことが多く、スタチン系という高脂血症の薬を内服します。

患者さんが、食事や運動を頑張って気をつけているのに、改善しないのは、なんとも辛いのですが、薬を飲むとスッとよくなることが多いです。

早見表

早見表です↓ まずは、この10項目に注目すれば、身体がどいった状態であるかある程度把握することができます!

ポイント
Hb貧血の指標
WBC白血球 感染症などで上昇
Plt血小板
Cre腎機能の指標
CRP炎症の指標
AST / ALT肝障害の指標
ALP / γ-GTP胆道系の異常
Alb栄養状態の指標
Na / Kナトリウム 塩分の指標 / カリウム 不整脈の指標
TG / HDL-C / LDL-C脂肪の指標

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