ケアラム®︎(イグラチモド)の特徴
〜 The Point 〜
- ケアラム®︎は免疫調整薬である。
- 副作用(肝障害、腎障害、胃潰瘍)に注意すれば、比較的効果は高く、また、直接の抗炎症鎮痛作用もあり、痛みの改善にも役立つ。
- ワーファリン®︎(ワルファリン)を内服している方は、ケアラム®︎を内服できない。
今回は、リウマチの治療薬の一つで免疫調整薬であるケアラム®︎(イグラチモド)を取り上げいきたいと思います。コルベット®︎という名前でも発売されています。
ケアラム®︎は、内服薬のリウマチの免疫調整薬の中でも1番新しい薬で、2012年に国内で発売となりました。
(JAK阻害薬も内服薬ですが、免疫抑制薬となります。)
用法は?
1回 25mg錠 1日 2回 内服
ケアラム®︎は、内服開始後に肝障害(AST、ALT上昇)を認める場合があり、内服開始は1日1回 25mgの内服となります。
次回外来受診時に、肝障害がなければ、1日2回の通常量で内服します。
ただ、25mgだけでも効果が十分でる場合もありますので、25mgのまま継続する方もいらっしゃいます。
ケアラム®︎(イグラチモド)
どんな時に使われますか?
ケアラム®︎(イグラチモド)は主に以下の方に適しています。
- 高齢者で強い免疫抑制剤が使えない場合(感染症のリスクが高い)
- 高額な生物学的製剤やJAK阻害薬を使えないけど、活動性を抑えたい場合
- メトトレキサートを使用するも、あと少し炎症や痛みが残っている場合
- 関節痛が残存しているリウマチの場合
副作用は?
- 肝障害
- 腎障害
- 消化性潰瘍(胃潰瘍など)
重篤な肝障害は稀ですが、AST、ALTが上昇する場合があります。内服開始時は、通常量の半分で内服し(1日 25mg)、2週間〜4週間後に採血をチェックし、肝障害がないかチェックします。
ケアラム®︎には、他のリウマチ薬には、直接の鎮痛作用がある反面、その影響で、腎機能が軽度悪化したり、消化性潰瘍を認める場合があります。
内服後、お腹の不快感などを認める場合は、かかりつけ医に相談してください。必要なら、胃薬を併用することをお勧めします。
何か注意点はありますか?
妊娠、重篤な肝障害、ワーファリン®︎(ワルファリン)を内服している方は、禁忌となり、内服できません。また、授乳中の女性にも内服は控えます。
また、ケアラム®︎には、直接の鎮痛作用から、他のロキソニン®︎やセレコックス®︎の定期内服は控えるようにしてください。どうしても痛みが辛い時は、頓服という形が良いかと思います。頓服時は、胃薬も合わせて飲むことをお勧めします。
作用機序は?
ケアラム®︎(イグラチモド)は、リンパ球の中のBリンパ球に直接作用し IgG や IgM といった免疫グロブリンの産生を抑制し、またマクロファージに作用し、TNFα、IL-6などの炎症性サイトカインの産生を抑制することで、抗リウマチ作用を発揮します。
セレコックス®︎(セレコキシブ)の作用機序に似た、COX-2を選択的に阻害し、プロスタグランジン合成を抑制し、直接の抗炎症鎮痛作用がある。
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〈参考〉
- 金城光代 リウマチ・膠原病の治療薬の使い方 洋土社
- 川畑仁人 リウマチ・膠原病治療薬ハンドブック 文光堂
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