【 乾癬 / 掌蹠膿疱症 】トレムフィア®︎（グセルクマブ）の特徴について

トレムフィア®︎（グセルクマブ）について

トレムフィア®︎は、生物学的製剤の一つで、2018年5月に発売された、日本初の『抗IL-23 p19抗体製剤』です。

正確には、ヒト型抗ヒトIL-23 p19モノクローナル抗体製剤と言います。

お気持ちすごくわかります。

IL（インターロイキン）だけで手一杯なのに、さらにp19ってわけがわからないですよね。

今回は、それも含めて説明していきますね。

適応疾患は？

トレムフィア®︎の適応疾患は、以下のようになります。

どんなときに良い適応になりますか？

〈乾癬〉・・・乾癬の場合は、皮膚症状が関節症状よりも強い乾癬の方に良い適応となります。

〈掌蹠膿疱症〉・・・難治性の掌蹠膿疱症や掌蹠膿疱症性骨関節炎の方に良い適応となります。

用法用量は？

トレムフィア®︎は皮下注射で行います。

1 ~ 2回目	1回 100mg	4週ごと（皮下注）
3回目以降	1回 100mg	8週ごと（皮下注）

いつまでに効果判定をすればいいですか？

トレムフィア®︎を初めて結構経つけど、いつ位までに効果が現れなかったら、変更を検討すればいいのでしょうか。

※薬価は変動する場合がありますのでご注意ください。

副作用は何がありますか？

5%以上	注射部位反応
5%未満	気道感染、白癬感染、関節痛
頻度不明	胃腸炎、単純ヘルペス、頭痛、下痢、好中球減少、トランスアミナーゼ上昇

注射部位反応は比較的、頻度が高い副作用になるので、注意が必要です。

重篤な副作用

• 重篤な感染症（頻度不明）
• アナフィラキシー（頻度不明）

強いアレルギー反応でアナフィラキシーを起こす可能性も0ではないですが、非常にまれです。

トレムフィア®︎（グセルクマブ）の特徴について

中和抗体の出現率は？

	抗グセルクマブ抗体陽性	中和抗体
局面型皮疹を有する乾癬患者における 国内第III相臨床試験	7.2% （13 / 180例）	0.6% （1 / 180例）
掌蹠膿疱症患者における 国内第III相臨床試験	2.6% （4 / 156例）	0% （0 / 156例）
局面型皮疹を有する乾癬患者における 海外臨床試験	6.0% （104 / 1734例）	0.4% （7 / 1734例）

抗グセルクマブ抗体陽性と中和抗体は同じ意味ではなく、実際に中和抗体が出現することで、薬効が失われてしまいます。

実際に、トレムフィアによって中和抗体が出現する確率はかなり少ないと思われます。

作用機序は？

トレムフィア®︎（グセルクマブ）は、IL-23 p19サブユニットに対するモノクローナル抗体です。

IL-23 は、Th17 の分化、増殖およびその維持に関与するサイトカインです。

トレムフィア®︎は、IL-23のp19サブユニットに結合することによってIL-23の活性を特異的に阻害し、IL-23の下流にあるTh17へのシグナル伝達を抑制します。

・IL・・インターロイキン（炎症性サイトカインの一つ）。

・Th17・・ヘルパーT細胞17。T細胞はリンパ球の一つで、さらにT細胞のうちの一つがヘルパーT細胞です。

https://ameblo.jp/aki-prism/entry-12386558605.htmlより引用

文献）

1     Nat Med 2015; 21: 719-29、Nat Immunol 2007; 8: 950-7.
2     Floss, D.M., et al.：Cytokine Growth Factor Rev., 26, 569, 2015.

参考）

• ステラーラ®︎（ウステキヌマブ）　添付文書
• 金城光代　リウマチ・膠原病の治療薬の使い方　洋土社
• 浦部 晶夫ら 今日の治療薬 南江堂

今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。ご参考になりましたら幸いです? Twitterでのいいねやフォローをして頂けますと励みになりますので、よろしくお願いします?

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