〜 The Point 〜
- 血管炎は、主に動脈系の炎症である。
- 全身に張り巡らされる動脈に炎症が起きるため、多彩な症状が起きる。
- 血管炎は血管のサイズにより、4パターンに分類される。(大型血管炎、中型血管炎、小〜中型血管炎、小型血管炎)
こんにちは、今回は血管炎ってどんな病気かについて解説していきたいと思います。
血管炎ってどんなは病気?
『血管炎は、発熱、四肢の紫斑、間質性肺炎、糸球体腎炎、四肢の痺れ(末梢神経障害)などの症状が起きる病気です。以上です。』
上の説明を聞いて、えっ、全然よくわかりません!?ってなりませんか。たくさん症状はあるけど、なんでそんな症状が起きるの?となかなかイメージし辛くないでしょうか。
もしも、上の説明で血管炎でなぜこういった症状が出るか理解できたら、それはもう今回は合格ですので、このあとは読まないでいいかもしれません。
私も研修医時代の頃は、上の先生から「この方は血管炎かもな」と言われて最初はパッとイメージできなかった頃もありました。血管炎って言われて、なかなかすぐにイメージつくのは難しいかもしれません。
身体の表面から触れられる血管ってどこ?
橈骨動脈の触知
それもそのはず、血管炎は動脈系の炎症が起きる病気ですが、動脈は身体から見えるものではないし、なかなか存在を感じづらいからです。ところで、身体で動脈の拍動を触われる場所を知っていますか?
主に、「頚動脈、橈骨動脈、上腕動脈、鼠径動脈」があります。
総頚動脈は、道に倒れている人がいて心肺蘇生をする際に確認する動脈です。橈骨動脈は、外来の診察などで脈を調べるときに確認する動脈です。大腿動脈は、とても太い血管のため、高齢者など腕の血管から採血が取りづらいときに、採血をしたりする血管です。是非、実際に自分の動脈を触れてみてください。
血管炎は動脈の炎症のこと
動脈系
話が脱線しましたが、このように血管は自分から触ろうとしないとその存在を感じられず、肺、腎臓や肝臓といった臓器よりもイメージしにくいのではと思います。
しかし、ご存知のように、身体に血管系つまり「静脈系と動脈系」があるおかげで、身体のすみずみまで栄養素や酸素末梢組織まで運ばれ、いらなくなった不要物や二酸化炭素を運搬する重要な臓器なのです。
血管炎とは、主に身体に張り巡らされる動脈系の炎症のことをいいます。
血管炎はイメージすることが大事
なんとなく、イメージ出来てきたでしょうか?
なぜ、こんなにもイメージイメージと繰り返すかというと、血管炎は身体から見えない臓器であるため、特にイメージすることが大切だと思うからです。
血管は身体の中心から末梢まで、全身に張り巡らされている臓器とイメージすれば、血管炎はそこに炎症が起きる病気だとイメージしやすくなるかと思います。
血管炎は血管のサイズで分類されます
IgA血管炎の紫斑(palpable purpuraともいう)
では、もう少し本題に入っていきましょう。
動脈は、心臓から「大動脈」が出て、それぞれ頭や手足、肝臓、腎臓、消化管などに分岐する枝を出します。大動脈から枝を出し各臓器に向かう動脈は、「中型血管」といいます。さらに、中型血管から臓器に入っていき、「小型血管」になり、さらに末梢になると「毛細血管」となります。
血管炎は、この血管サイズのレベルで、どこに炎症が起きるかによって大きく分類されています。
『Chapel Hill(チャペル・ヒル)の分類』を参考にするのが一番わかりやすいので、まずは図をご覧ください。
このように、血管のサイズ毎に、疾患が分けられています。
- 大型血管炎‥高安動脈炎、巨細胞性動脈炎
- 中型血管炎‥結節性多発動脈炎、川崎病
- 小型〜中型血管炎‥ANCA関連血管炎(顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎肉芽種症、好酸球性多発血管炎性肉芽種症)
- 小型血管炎‥IgA血管炎、抗GBM抗体病など
血管炎は、大きくこの4つのパターンに分かれています。その中でも、よく耳にする高安動脈炎は大型血管炎に分類され、川崎病は中型血管炎に、ANCA関連血管炎は小型〜中型血管炎に、IgA血管炎は小型血管炎にそれぞれ分類されます。
血管炎の方は、ご自身の血管炎がどのレベルの血管炎なのかを知ることで、それぞれの血管炎ごとの症状をより理解できるようになると思います。
少し長くなってしまったので、次回は血管炎の症状についてより詳しくみていきたいと思います。
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