治療薬

市販の解熱鎮痛薬の成分について【この解熱薬は、カロナールの成分が入っていますか?それともロキソニンの成分ですか?】

こんにちは、今回は「市販の解熱鎮痛薬の成分」について取り上げていきたいと思います。

薬局には、たくさん解熱鎮痛薬がありますよね。
どれがカロナールの成分が入っているのか、どれがロキソニン系の成分が入っているのか知りたいです!

市販の解熱鎮痛薬の成分

通常、解熱鎮痛薬の成分には、

  • カロナール®︎の成分である『 アセトアミノフェン 』
  • ロキソニン®︎などの成分である『 NSAIDs(エヌセイズ)』

の2種類が使用されています。

NSAIDsは、『 非ステロイド性抗炎症薬 』のことを指します。

このアセトアミノフェン系の解熱鎮痛薬とNSAIDs系の解熱鎮痛薬は、それぞれ特徴があります。

この二つの特徴を、一言でまとめると、

アセトアミノフェン系解熱鎮痛薬は、効果はマイルドだけど、副作用が少なく安全性が高いのに対し、NSAIDs系解熱鎮痛薬は、効果は高いけど、用量が多くなると副作用の影響もあり注意が必要

となります。

アセトアミノフェン(カロナール®︎)とNSAIDs(ロキソニン®︎など)の特徴の違い

具体的に、アセトアミノフェンとロキソニンなどのNSAIDsの特徴について見てみましょう。

アセトアミノフェンの特徴

  • 解熱、鎮痛効果は、弱い
  • 消化管潰瘍、腎障害、出血のリスクは低く、比較的安全に使用できる
  • 抗炎症作用は持っていない
  • 注意が必要な副作用は、肝障害である

NSAIDsの特徴

  • 解熱、鎮痛効果は、比較的高い
  • 消化管潰瘍、腎障害、出血のリスクがあり、使用量や頻度には注意が必要
  • 抗炎症作用を持つ
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アセトアミノフェン(カロナール®︎)系解熱鎮痛薬

まずは、アセトアミノフェン系解熱鎮痛薬です。

タイレノール®︎

成分1錠中
アセトアミノフェン300 mg
ノンカフェイン
1錠で、300 mgを含有しているため、大人には飲みやすい

ノーシンAc®︎

成分1錠中
アセトアミノフェン150 mg
小粒で飲みやすい
ノンカフェイン

バファリンルナJ®︎

成分1錠中
アセトアミノフェン100 mg
100 mg単位で飲めるため、7歳以上から服用可能
ノンカフェイン

アセトアミノフェンK錠®︎

成分1錠中
アセトアミノフェン100 mg
100 mg単位で飲めるため、5 歳以上から服用可能
ノンカフェイン

セシオン解熱鎮痛薬AP®︎

成分1錠中
アセトアミノフェン100 mg
100 mg単位で飲めるため、5 歳以上から服用可能
ノンカフェイン(眠くならない)

その他

1錠中のアセトアミノフェンそれ以外の有効成分
ポパドンA®︎150 mg なし
ラックル®︎300 mgなし
レスラックA®︎150 mgなし




NSAIDs(ロキソニン®︎など)系解熱鎮痛薬

では続きまして、NSAIDs系解熱鎮痛薬をみていきます。

NSAIDsは、ロキソニン®︎の有効成分であるロキソプロフェン、バファリンA®︎の有効成分であるアスピリンなどがありますが、まずは、NSAIDsにはどういったものがあるか下のリストを参照ください

NSAIDs 一覧
  • アスピリン
  • ロキソプロフェン
  • イブプロフェン
  • ジクロフェナク
  • インドメタシン
  • ピロキシカム
  • ナプロキセンなど

商品の有効成分に、このいずれかが含有されていれば、NSAIDsが使用されているとわかります。

バファリンA®︎

成分1錠中はたらき
アスピリン
(アセチルサリチル酸)
330 mg熱を下げ痛みをおさえる
合成ヒドロタルサイト100 mg胃への負担を緩和する
ノンカフェイン
出産予定日12週以内の妊婦は服用しない
胃薬成分も含有していて胃の負担を和らげる

イブ®︎

成分1錠中はたらき
イブプロフェン75 mg熱を下げ痛みをおさえる
ノンカフェイン
出産予定日12週以内の妊婦は服用しない
小粒で飲みやすい

ロキソニンS®︎

成分1錠中はたらき
ロキソプロフェンナトリウム水和物68.1 mg熱を下げ痛みをおさえる
ノンカフェイン
出産予定日12週以内の妊婦は服用しない

バイエルアスピリン®︎

成分1錠中はたらき
アスピリン500 mg熱を下げ痛みをおさえる
ノンカフェイン
出産予定日12週以内の妊婦は服用しない

ナロンエースT®︎

成分1錠中はたらき
イブプロフェン
(NSAIDs)
72 mg熱を下げ痛みをおさえる
エテンザミド
(NSAIDs)
42 mg熱を下げ痛みをおさえる
ブレモバレリル尿素100 mgイブプロフェンとエテンザミドのはたらきを助ける。
無水カフェイン25 mgイブプロフェンとエテンザミドのはたらきを助ける。
カフェイン含有(眠くならない)
出産予定日12週以内の妊婦は服用しない

その他

1錠中のNSAIDs含有量それ以外の有効成分
アジェンテ鎮痛薬a®︎イブプロフェン
75 mg
アリルイソプロピルアセチル尿素
30 mg
無水カフェイン
40 mg
セシオンHDファースト®︎イブプロフェン
75 mg
アリルイソプロピルアセチル尿素
30 mg
無水カフェイン
40 mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル
33.3 mg
イブクイック®︎イブプロフェン
75 mg
アリルイソプロピルアセチル尿素
30 mg
無水カフェイン
40 mg
酸化マグネシウム
50 mg
ノーシンピュア®︎イブプロフェン
75 mg
アリルイソプロピルアセチル尿素
30 mg
無水カフェイン
40 mg

有効成分のはたらきについて

  • アリルイソプロピルアセチル尿素:イブプロフェンの鎮痛作用を高める鎮静成分
  • 無水カフェイン:血管の拡張を抑え、イブプロフェンの鎮痛効果を助ける
  • 酸化マグネシウム:イブプロフェンの吸収を速め、胃粘膜も保護する
  • 乾燥水酸化アルミニウムゲル:胃酸を中和したり、胃粘膜を保護する




小児用

小児用についても、見ていきたいと思います。

小児には、基本的に『 アセトアミノフェン 』を使用します。

小児に「 NSAIDs 」を使用した場合、インフルエンザ、水痘(水ぼうそう)などの際にライ症候群という重篤な状態を引き起こす可能性があるため、小児では使用しません。

ライ症候群とは

ライ症候群は、インフルエンザや水痘などのウイルス感染後に、アスピリンなどのNSAIDsを服用している小児に起きる、肝臓の脂肪沈着を伴う急性脳症のことです。

症状は、急性脳症による、混乱、痙攣、意識障害などの症状を認めます。

1歳以上

こどもパブロン坐薬®︎

成分1個 1000mg 中
アセトアミノフェン100 mg
1歳から使用可能
用法例) 1〜2歳 1回 1/2 〜 1個
ノンカフェイン

キオフィーバ こども解熱坐薬®︎

成分1個 950 mg中
アセトアミノフェン100 mg
1歳から使用可能
用法例) 1〜2歳 1回 1/2 〜 1個
ノンカフェイン

お子様の急な発熱にこども解熱坐薬®︎

成分1個 950mg 中
アセトアミノフェン100 mg
1歳から使用可能
用法例) 1〜2歳 1回 1/2 〜 1個
ノンカフェイン

3歳以上

小児用バファリンCⅡ®︎

成分1錠中
アセトアミノフェン33 mg
1歳から使用可能
用法例) 3〜7歳 3錠
飲みやすいフルーツ味で小粒の錠剤
ノンカフェイン

小児用バファリンチュアブル®︎

成分1錠中
アセトアミノフェン50 mg
1歳から使用可能
用法例) 3〜7歳 2錠
水なしで飲める オレンジ味
ノンカフェイン
road in between grass field

まとめ

〈 アセトアミノフェン系解熱鎮痛薬 〉1錠中のアセトアミノフェンの含有量カフェイン
タイレノール®︎300 mg
ノーシンAc®︎150 mg
バファリンルナJ®︎100 mg
アセトアミノフェンK錠®︎100 mg
セシオン解熱鎮痛薬AP®︎100 mg
ポパドンA®︎150 mg
ラックル®︎300 mg
レスラックA®︎150 mg
〈 NSAIDs系解熱鎮痛薬 〉 NSAIDsの含有量
バファリンA®︎アスピリン(アセチルサリチル酸)
330 mg
イブ®︎イブプロフェン
150 mg
ロキソニンS®︎ロキソプロフェンナトリウム水和物
68.1 mg
バイエルアスピリン®︎アスピリン(アセチルサリチル酸)
500 mg
ナロンエースT®︎イブプロフェン
72 mg
エテンザミド
42 mg
アジェンテ鎮痛薬a®︎イブプロフェン
75 mg
セシオンHDファースト®︎イブプロフェン
75 mg
イブクイック®︎イブプロフェン
75 mg
ノーシンピュア®︎イブプロフェン
75 mg
〈子ども用解熱鎮痛薬〉アセトアミノフェンの含有量
こどもパブロン坐薬®︎100 mg / 個
キオフィーバ こども解熱坐薬®︎100 mg / 個
お子様の急な発熱にこども解熱坐薬®︎100 mg / 個
小児用バファリンCⅡ®︎33 mg / 錠
小児用バファリンチュアブル®︎50 mg / 錠
【鎮痛薬】ロキソニン®︎(ロキソプロフェン)とセレコックス®︎(セレコキシブ)の違い 〜 NSAIDs 〜 まなみさんは、ロキソニン®︎よりもセレコックス®︎の方が合っていると思いますので、セレコックス®︎を処方しておきますね。 ありが...




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