血管炎

結節性多発動脈炎の治療について【PN】


〜 The Point 〜

  • 結節性多発動脈炎の初期治療は、皮膚限局型、活動性B型肝炎がある場合、重症臓器病変がある場合、重症臓器病変がない場合の4つに分けられる。
  • 重症の臓器病変がある場合は、ステロイドパルスを使用する。
  • 維持療法には、イムラン®︎ / アザニン®︎(アザチオプリン)、メトトレキサートが使用される。

こんにちは、今回は結節性多発動脈炎(PN)の治療について取り上げていきたいと思います!

結節性多発動脈炎の初期治療について

結節性多発動脈炎の治療の基本は『ステロイド』になります。

やはりステロイドは治療の主役になりますが、他に免疫抑制薬を併用していくことで、ステロイドを早めに減量し、少ない量で維持して行くことを目標にして行きます。

① 皮膚限局型の場合

ロキソニン®︎などの解熱鎮痛薬(NSAIDs)やコルヒチンを使用します。

必要により、ステロイドや免疫抑制薬を併用します。

② 活動性B型肝炎がある場合

検査の結果、活動性B型肝炎を認めた場合、まず抗ウイルス薬を使用します。

ステロイドや血漿交換療法を併用することもあります。血漿交換療法は、免疫複合体除去目的で使用します。

③ 腎、脳、消化管などの臓器病変がある重症の場合

重症な臓器病変がある場合は、強い治療が必要です。具体的には、治療開始の3日間はステロイドパルス療法を行います。


ステロイドパルスとは?

ステロイドパルスとは、通常のステロイド(プレドニン®︎)よりも、何倍も多い量を3日間点滴する方法です。

私は良くステロイドパルスを患者さんに説明する際に「今膠原病の炎症によって、身体に山火事が起きているから、治療の始めはバケツの水で消火するのでは足りないから、大量の水で消火するような治療を行います」とお伝えしています。

プレドニン®︎(プレドニゾロン)は高用量だと60mg程度が一般的ですが、ステロイドパルスだと1日に1000 mgも使用します。バケツ一杯の水ではなく、大量の水という意味が伝わったでしょうか。

パルスに使われるソル・メドロール®︎(メチルプレドニゾロン)

ステロイドパルスを3日間行った後、「ステロイド後療法」を行います。結節性動脈炎のステロイド後療法は、プレドニン®︎ 0.5〜0.8 mg/kgを行うことが多いです。50kgの方ですと、25 〜 40 mgとなります。

ステロイド後療法の反応を見て、効果が不十分であった場合は、免疫抑制薬を併用します。

免疫抑制薬には、エンドキサン®︎(シクロフォスファミド)を使用します。エンドキサン®︎は通常1ヶ月に1回のペースで点滴を行います。これを4ヶ月以上行うことが推奨されています。ただし、エンドキサン®︎は副作用も多いため、回数には注意して使用します。

エンドキサン®︎の副作用には、主に出血性膀胱炎、血球減少、腎機能障害などがあります。(詳しくは下記のリンクからご参考ください)

エンドキサン®︎(シクロフォスファミド)

④ 重症な臓器病変のない場合

重症な臓器病変のない場合は、「中等量〜高用量の経口ステロイド」を行います。具体的にはプレドニン 0.5 〜 1 mg/kgで投与します。50 kgの方ですと、25 〜 50 mgを内服します。

ステロイドは、初期量を2 〜 4週間使用した後、徐々に減量していきます。(徐々に減量することをテーパリングと言います。)




結節性多発動脈炎の維持療法について

ステロイドをテーパリング(漸減)していく中で、再発のリスクを減らすために、免疫抑制薬を併用することが推奨されています。免疫抑制薬には、「イムラン®︎ / アザニン®︎(アザチオプリン)やメトトレキサート」を使用します。

免疫抑制薬の併用によって、ステロイドを最小限量にして病態をコントロールしていくことを目指していきます。

アザニン®︎(アザチオプリン)

イムラン®︎ / アザニン®︎(アザチオプリン)は、2 mg/kgが推奨されています(50kgだと100mg/日)。アザチオプリンの詳細については、下記リンクをご参考ください。

また、メトトレキサートは保険適応外なので注意してください。

今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。参考になりましたら、高評価、コメントを頂けましたら嬉しいです🥝またTwitterのフォローもお願いします🕊

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