SLE

SLEの皮膚症状・粘膜症状について【全身性エリテマトーデス】


〜 The Point 〜

  1. SLEには、実に多彩な皮膚・粘膜症状がある。
  2. 蝶形紅斑は、SLEのメジャーな症状だが、約70%の方に認めるとされている。
  3. 治療は、プラケニル®︎(ヒドロキシクロロキン)、 ベンリスタ®︎(ベリムマブ)、ステロイド外用、タクロリムス外用がある。

今回は、全身性エリテマトーデス(SLE)のメジャーな症状である、「皮膚症状」「粘膜症状」について取り上げていきたいと思います。

SLE の皮膚・粘膜症状について

SLEの約70%の方に、皮膚症状を認めると言われております。また、陽性となる抗体(抗ds-DNA抗体や抗Sm抗体)による特徴的な皮疹との関連性については、あまりいわれていません。

SLEで見られる皮膚・粘膜症状 一覧

  1. 蝶形紅斑
  2. 手掌紅斑
  3. 脱毛
  4. 粘膜疹・口腔潰瘍
  5. 皮下硬結
  6. Raynaud現象
  7. 光線過敏症
  8. その他(リベド、紫斑、爪囲紅斑、爪上皮出血など)




蝶形紅斑

蝶形紅斑

SLEの皮疹として、やはり最も有名なのは、「蝶形紅斑」ですね。

SLEの約70%に認め、約40%の方は初発症状として出現します。

蝶が羽を広げたような形を呈するため、そう名付けられました。基本的には消退後に瘢痕を残しません

手掌紅斑

手掌紅斑

SLEの約半数に認めるとされ、びまん性(広いということ)の紅斑が手のひら、特に親指や小指に生じます。

脱毛

脱毛も、SLEでは多く、約半数の方に認めるとされています。

ループスヘアー(lupus hair)といって、前頭部の毛が短く細く、折れやすくなって不揃いな長さになるのが、特徴とされています。

SLEの活動期に悪化することが多いと言われています。

脱毛は、10代〜30代の患者さんが多いSLEでは、本当にいつも頭を悩ます問題です。

なかなか特効薬もなく、ステロイドや他の免疫抑制剤でも効きづらいです。

ステロイドなどの副作用によって逆に脱毛を悪化させてしまう場合もあります。

毎回、どうにか出来ないかと思いながら診療している日々です。。。

粘膜疹・口腔潰瘍

口腔潰瘍

SLEの約40%で認められるとされています。くちびるや口腔内、鼻腔内および咽頭に、発赤を伴う小出血斑、小潰瘍が出現します。

皮下硬結

顔面やお尻、上腕に硬結をきたします。

Raynaud現象(レイノー)

Raynaud現象

突然、指趾が、蒼白化し、数分後に紫色となり、その後びまん性な紅潮を経て正常皮膚色に戻る一連の現象を言います。

Raynaud現象の原因は、手指の血管の攣縮(れんしゅく)による虚血状態によります。

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光線過敏症

SLEの約30-40%で認められるといわれています。

紫外線に暴露した後に、露光部位に紅斑、水疱、あるいは熱が出ることがあります。発症のきっかけになることもあります。

頻度
蝶形紅斑70%
脱毛50%
口腔潰瘍40%
Raynaud現象50%
光線過敏症30-40%

主な皮膚・粘膜症状の頻度

治療は?

「プラケニル®︎(ヒドロキシクロロキン)」は、SLEの皮膚病変に対して効果があるとされる薬剤であり、ガイドラインでは、禁忌がなければ、通常のSLEの方には内服が推奨されています。

最近では、皮下注射製剤である「ベンリスタ®︎(べリムマブ)」もSLEの皮疹に有効といわれています。

また、外用剤としては、「ステロイド外用」「タクロリムス外用(プロトピック®︎)」があります。

また、日光やストレスで、皮疹が増悪することがあるため、「直射日光」や「過度なストレス」や「寒冷刺激」などは極力避けるようにすることをお勧めします。

〈参考〉

  • 清水宏 あたらしい皮膚科学第3版 中山書店
  • 三森経世、桑名正隆 分子標的/Bio時代のリウマチ ・膠原病治療ストラテジー
  • 金城光代 リウマチ・膠原病の治療薬の使い方 洋土社

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