今回は、JAK阻害薬の一つリンヴォック®︎(ウパダシチニブ)について説明していきます。
〜 The Point 〜
- リンヴォック®︎はJAK阻害薬の一つ。
- 1日1回15mgの錠剤を内服。
- リンヴォック®︎は主に『 JAK1 』を強く阻害する。
- 2021年5月より長期処方が可能となり、より外来でも処方しやすくなった!(今後処方される機会が増えると思われる)
リンヴォック®︎(ウパダシチニブ)について
リンヴォック®︎は、JAK阻害薬の1つです。
JAK阻害薬は、IL-6(インターロイキン)などの炎症性サイトカインの情報を免疫細胞内に伝達するのを阻害する事で効果を発揮します。炎症性サイトカインの多くがこのJAKを通して細胞内シグナル伝達されるため、高い治療効果が期待できます。
飲み方はどうですか?
用法は、1回15mgを1日1回内服します。患者さんの状態に合わせて7.5mgでの投与が可能です。(寛解導入後に、7.5mgに減量も検討されます)また、JAK阻害やく初となる、関節症性乾癬にも適応となりました。
また、メトトレキサートは併用が望ましいですが、どうしても併用が難しい場合は単剤で行くこともあります。単剤でも高い臨床的寛解率達成率、関節破壊抑制効果があります。
どういった作用機序ですか?
リンヴォック®︎は、JAKファミリー(JAKの種類です)の中の主にJAK1をターゲットにしています。JAKとは、免疫細胞(リンパ球など)内にあるタンパクで、炎症性サイトカインなどの情報を細胞内にシグナル伝達する際に必要なタンパクです。なので、JAKを阻害することで、炎症の伝達を遮断することができます。
JAKは2分子以上が組み合わさることでサイトカインのシグナル伝達が行われます。JAK1とJAK2が組み合わせはIL-6(インターロイキン)やIFN-γ(インターフェロン)等の炎症性サイトカインや細胞性免疫を調整します。リンヴォックはJAKを強く阻害するため、JAK1に関連した炎症性サイトカインの抑制や免疫細胞の働きを調整することで、効果を発揮します。
副作用はどうですか?
結核、肺炎、敗血症などの重篤な感染症、消化管穿孔、肝障害、血球減少、帯状疱疹などが報告されております。発熱や風邪症状がある場合は、症状が落ち着くまでスマイラフ®︎を一旦中止するのが通常です。再開のタイミングについてはかかりつけの先生とご相談ください。また、肝障害や血球減少については、定期受診時の血液検査などでフォローすることが通常です。
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