ステロイド

ステロイドの種類について【プレドニン®︎、メドロール®︎、デカドロン®︎ってどう違うのですか?】

こんにちは、今回は「プレドニン®︎、メドロール®︎、デカドロン®︎といったステロイドの種類」について取り上げていきたいと思います。

私も以前は、メドロール®︎を飲んでいましたが、今はプレドニン®︎を飲んでいます。
調べると同じステロイドなのは分かりましたが、どういった違いがあるのか気になっていました。

ステロイドの種類

意外にもステロイドにはたくさんの種類がある

ステロイドには、コートリル®︎、ソルコーテフ®︎、プレドニン®︎、メドロール®︎、デカドロン®︎、リンデロン®︎といったものが臨床の場では使われています。

意外にたくさんの種類がありますね。

それぞれ微妙に違いがあり、大きく分けてつの違いがあります!

ステロイドの3つの違い!

では、その3つの違いなんでしょうか。

それは、

  1. 作用時間の違い
  2. 抗炎症作用の違い
  3. ミネラルコルチコイド作用の違い

です。

ステロイドの種類については、この点を考えて、使用場面を考えています。

作用時間の違い

まずは、3種類に分類する

まず、作用時間の違いによって、ステロイドを大きく3種類に分類しましょう

  1. 短時間作用型
    • コルチゾール(コートリル®︎)、コハク酸ヒドロコルチゾン(ソルコーテフ®︎)
  2. 中時間作用型
    • プレドニゾロン(プレドニン®︎)、メチルプレドニゾロン(メドロール®︎)
  3. 長時間作用型
    • デキサメタゾン(デカドロン®︎)、ベタメタゾン(リンデロン®︎)

このように、ステロイドは作用時間の違いによって、短時間作用型中時間作用型長時間作用型の3種類に分かれます。

では、この短時間型、中時間型、長時間型を半減期で置き換えてみましょう。

半減期で置き換えると、、、

半減期とは、『 薬物の血中濃度が、半減するまでの時間 』のことを指します。

では、それぞれの半減期は、

  • コルチゾール(コートリル®︎)は、およそ半日弱
  • プレドニゾロン(プレドニゾロン)、メチルプレドニゾロン(メドロール®︎)は、1日前後
  • デキサメタゾン(デカドロン®︎)、ベタメタゾン(リンデロン®︎)は2日前後

となります。

下の表に、ステロイドの種類ごとの作用時間と半減期の違いを表にまとめました。

種類作用時間半減期
コルチゾール
(コートリル®︎)

コハク酸ヒドロ
コルチゾン

(ソルコーテフ®︎)
短時間
作用型
半日弱
(8〜12時間)
プレドニゾロン
(プレドニン®︎)
メチルプレドニゾロン
(メドロール®︎)
中時間
作用型
1日前後
(12〜36時間)
デキサメタゾン
(デカドロン®︎)
ベタメタゾン
(リンデロン®︎)
長時間
作用型
2日前後
(36〜54時間)




抗炎症作用の違いについて

ステロイドは、それぞれ『 抗炎症作用の強さの違い 』があります。

通常は、コルチゾールを基準に1として考えると、コルチゾールと比較して

  • プレドニゾロンは 4 倍
  • メチルプレドニゾロンは 5 倍
  • デキサメタゾンは 20~30 倍
  • ベタメタゾンは 20~30 倍

の抗炎症作用を持ちます。

なぜ、コルチゾールを基準に考えるのですか?

なぜ、コルチゾールを1(基準)として考えるのですか?

それは、私たちの身体から出ているステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン)は、

腎臓の上にある副腎という臓器から、『 コルチゾール 』として分泌されているため、

コルチゾールは私たちの身体にとっては最も生理的(内因性ステロイドといいます)であり、このコルチゾールを基準として考えています。

〈 副腎の模式図 〉

では、具体的な用量に当てはめてみましょう。

  • コルチゾール(コートリル®︎) 20 mgに対して、
    1. プレドニゾロン(プレドニン®︎)は、5 mgに相当し、
    2. メチルプレドニゾロン(メドロール®︎)は、4 mgに相当し、
    3. デキサメタゾン(デカドロン®︎)は、およそ 0.75 mgに相当し、
    4. ベタメタゾン(リンデロン®︎)は、およそ 0.6 mgに相当します。

この関係を、下の表にまとめました。

種類抗炎症作用の力価比用量換算
コルチゾール
(コートリル®︎)
120 mg
コハク酸ヒドロ
コルチゾン

(ソルコーテフ®︎)
0.825 mg
プレドニゾロン
(プレドニン®︎)
45 mg
メチルプレドニゾロン
(メドロール®︎)
54 mg
デキサメタゾン
(デカドロン®︎)
20~300.75 mg
ベタメタゾン
(リンデロン®︎)
20~300.6 mg

〈 ステロイドと抗炎症作用の力価の関係 〉

プレドニゾロンを基準に、それぞれのステロイドの換算量をみてみましょう。

臨床では、ステロイドの中では、やはりプレドニゾロンが多く使われるため、プレドニゾロンを基準にして、それぞれのステロイドの換算量をみてみたいと思います。

プレドニゾロン
(プレドニン®︎)
コルチゾール
(コートリル®︎)
コハク酸ヒドロコルチゾン
(ソルコーテフ®︎)
メチルプレドニゾロン
(メドロール®︎)
デキサメタゾン
(デカドロン®︎)
ベタメタゾン
(リンデロン®︎)
5 mg20 mg25 mg4 mg0.75 mg0.6 mg
10 mg40 mg50 mg8 mg1.5 mg1.2 mg
15 mg60 mg75 mg12 mg2.25 mg1.8 mg
20 mg80 mg100 mg16 mg3 mg2.4 mg
25 mg100 mg125 mg20 mg3.75 mg3 mg
30 mg120 mg150 mg24 mg4.5 mg3.6 mg
40 mg160 mg200 mg32 mg6 mg4.8 mg
50 mg200 mg250 mg40 mg7.5 mg6 mg
60 mg240 mg300 mg48 mg9 mg7.2 mg

鉱質コルチコイド作用の違い

もともとステロイドホルモンには、

  1. 糖質コルチコイド作用(グルココルチコイド)
  2. 鉱質コルチコイド作用(ミネラルコルチコイド)

の2種類の作用があります。

糖質コルチコイド作用は、 ① 炎症を抑える抗炎症作用・抗アレルギー作用や、② 肝臓での糖新生促進作用により血糖値を上昇させる作用などがあります。

一方で、ミネラルコルチコイド作用も併せ持っています。

鉱質コルチコイドは、主に塩分や水分のバランスを調節する作用があります。

具体的には、ナトリウムやカリウムイオンの濃度調節などに関わっています。

そのため、ステロイドによる過剰な鉱質コルチコイド作用は、『 主に血圧上昇とカリウム低下 』に影響します。

それぞれのステロイドには鉱質コルチコイド作用にも違いがあるため、血圧上昇や低カリウム血症は、ステロイドの影響によるものかどうかを判断する必要があります。

鉱質コルチコイドの力価比を表にまとめました。

種類鉱質コルチコイドの力価比
コルチゾール
(コートリル®︎)
1
コハク酸ヒドロ
コルチゾン

(ソルコーテフ®︎)
0.8
プレドニゾロン
(プレドニン®︎)
0.8
メチルプレドニゾロン
(メドロール®︎)
≦ 0.5
デキサメタゾン
(デカドロン®︎)
0
ベタメタゾン
(リンデロン®︎)
0

デキサメタゾン(デカドロン®︎)、ベタメタゾン(リンデロン®︎)の特徴

デキサメタゾンとベタメタゾンの特徴は、

いずれもミネラルコルチコイド作用がほぼありません

これは、共にグルココルチコイド受容体への親和性が極めて高いためです。

このため、デキサメタゾンやベタメタゾンの場合は、ステロイドによる血圧上昇や低カリウム血症は考慮する必要はありません。

ミネラルコルチコイド作用がないため、用量の調節によって、ステロイドパルス療法にも利用可能です。

臨床での使われ方

各ステロイド毎の使用例
  1. コートリル®︎(コルチゾール)
    • ステロイドホルモン補充療法(副腎不全など)
  2. ソルコーテフ®︎(コハク酸ヒドロコルチゾン)
    • ショック(敗血症・出血性・外傷性など)に伴う相対的副腎不全時
    • 輸血や薬剤によるアナフィラキシーやアレルギー反応時
  3. プレドニン®︎(プレドニゾロン)
    • 主に内服や点滴
    • 喘息発作の内服薬や点滴として
  4. メチルプレドニゾロン(メドロール®︎、ソル・メドロール®︎、ソル・メルコート®︎)
    • ステロイドパルス療法
    • 内服(特に高血圧やステロイド性高血圧がある場合など)
    • 喘息発作の点滴として
  5. デカドロン®︎(デキサメタゾン)
    • 多発性骨髄腫や血小板減少性紫斑病の治療薬
    • 抗がん剤による悪心・嘔吐などの消化器症状の対症療法
    • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による肺炎の治療薬
  6. リンデロン®︎(ベタメタゾン)
    • アスピリン喘息(NSAIDs喘息)発作時
    • ステロイド外用剤(ベリーストロング〜ストロング)

コートリル®︎(コルチゾール)

コルチゾール(コートリル®︎)は、先ほども出てきました通り、副腎皮質から最も多く分泌されているステロイドのため、ステロイド補充療法に適しています。

これを利用して、主に副腎不全の治療に用いられています。

ソルコーテフ®︎(コハク酸ヒドロコルチゾン)

ソルコーテフ®︎は、糖質コルチコイド作用と共に鉱質コルチコイド作用も併せ持っているため、敗血症ショック時の血圧低下や相対的副腎不全の影響を考慮して、使用されます

また、半減期が短いため、ICU(集中治療室)などの場面でも、用量の調節もしやすく使用場面が多いです。

また、輸血、薬剤などによるアナフィラキシーやアレルギー反応が出現時も、血圧低下が起きる可能性もあり

鉱質コルチコイド作用があるソルコーテフ®︎は使用されやすいです。

プレドニン®︎(プレドニゾロン)

プレドニン®︎は、半減期がおよそ1日前後のため、ステロイドの内服薬として最も使用されることが多い薬剤です。

また、喘息発作時の内服や点滴としても使われることもあります。

メチルプレドニゾロン(メドロール®︎、ソル・メドロール®︎、ソル・メルコート®︎)

メチルプレドニゾロンは、鉱質コルチコイド作用が少ないため大量にステロイドを使用するステロイドパルス療法を行う場合に、最も使用されるステロイドです

また、半減期がプレドニン®︎と同じくおよそ1日前後であるため、内服薬としても使用されます。

鉱質コルチコイド作用(血圧上昇効果がある)が少ないため、高血圧がある方や、ステロイドによって血圧が上昇してしまう方は、メドロール®︎の内服に切り替える場合もあります

また、外来や入院時では、喘息発作時の点滴としても使われることもあります。

デカドロン®︎(デキサメタゾン)

デカドロン®︎は、血液疾患では多発性骨髄腫や血小板減少性紫斑病の治療薬として、

また、悪性腫瘍では、抗がん剤による悪心・嘔吐などの消化器症状の対症療法として使われる場面が多いです。

また、最近では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による肺炎の治療薬に対しても使用されます。

リンデロン®︎(ベタメタゾン)

リンデロン®︎やデカドロン®︎は、『 リン酸エステルステロイド 』であるため、アスピリン喘息(NSAIDs喘息)による発作時に使用されます

リンデロン®︎は、内服薬というよりは、ステロイド外用剤(ベリーストロング〜ストロング)としての使用が多いかもしれません。




まとめ

最後に、以上の3つの違いを一つの表にまとめました。

種類作用時間抗炎症作用用量換算鉱質コルチコイド作用
コルチゾール
(コートリル®︎)
短時間
作用型
120 mg1
コハク酸ヒドロ
コルチゾン

(ソルコーテフ®︎)
短時間
作用型
0.825 mg0.8
プレドニゾロン
(プレドニン®︎)
短時間
作用型
45 mg0.8
メチルプレドニゾロン
(メドロール®︎)
短時間
作用型
54 mg0.5
デキサメタゾン
(デカドロン®︎)
短時間
作用型
20~300.75 mg0
ベタメタゾン
(リンデロン®︎)
短時間
作用型
20~300.6 mg0

ステロイドは、作用時間と抗炎症作用と鉱質コルチコイド作用の違いがあるのが、よく分かりました!

〈参考〉

  • 田中 廣壽 一冊できわめるステロイド診療ガイド 文光堂
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“今回のまとめ”
  1. ステロイドは、作用時間、抗炎症作用、ミネラルコルチコイド作用の違いで大きく分けられる。
  2. 短時間作用型には、コルチゾール(コートリル®︎)やコハク酸ヒドロコルチゾン(ソルコーテフ®︎)があり、中時間作用型には、プレドニゾロン(プレドニン®︎)やメチルプレドニゾロン(メドロール®︎)があり、長時間作用型には、デキサメタゾン(デカドロン®︎)やベタメタゾン(リンデロン®︎)がある。
  3. それぞれの違いを活かして、臨床での使われ方が違ってくる。

今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。ご参考になりましたら幸いです🥝 Twitterでのいいねやフォローをして頂けますと励みになりますので、ぜひよろしくお願いします🕊

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