治療薬

ビンゼレックス®︎(ビメキズマブ)の特徴について ~ 抗 IL-17A / IL-17F 抗体製剤 ~【 乾癬 】

こんにちは、今回は「ビンゼレックス®︎(ビメキズマブ)の特徴」について取り上げていきたいと思います。

ビンゼレックス®︎は最近、厚労省から承認を得たばかりの乾癬の治療薬のことですね!

ビンゼレックス®︎(ビメキズマブ)の特徴について

ビンゼレックス®︎(ビメキズマブ)は、2022年1月乾癬に対して、厚生労働省の承認を取得した、新しい治療薬です。

ビンゼレックス®︎(ビメキズマブ)は、抗 IL-17A / IL-17F 抗体製剤である。

ビンゼレックス®︎(ビメキズマブ)は、乾癬に対する新しい生物学的製剤で、

『 抗IL-17A/IL-17Fモノクローナル抗体製剤 』です。

ビンゼレックス®︎は、IL-17阻害薬に分類されますが、

IL-17A と IL-17F の両方を阻害するのが特徴です。

詳しい機序については、作用機序の項目にてご説明します。

適応疾患は?

ビンゼレックス®︎(ビメキズマブ)の適応疾患は、以下のようになります。

  • 尋常性乾癬
  • 膿疱性乾癬
  • 乾癬性紅皮症

どんな時に適応となりますか?

以下のもしくはに当てはまる場合に、ビンゼレックス®︎は良い適応となります。

  1. 光線療法を含む既存の全身療法(生物製剤を除く)で十分な効果が得られず皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ乾癬患者
  2. 難治性の皮疹又は膿疱を有する乾癬患者。
【解説】乾癬の特徴について こんにちは。今回は、乾癬の特徴について取り上げていきたいと思います。 よろしくお願いしますっ! 乾癬について ...




用法・用量は?

ビンゼレックス®︎(ビメキズマブ)は皮下注射製剤です。

皮下注射製剤なので、通院でも、自宅でも投与可能です。

用量: 1回 320 mg
用法: 初回から16週(約4ヶ月)までは4週間隔で皮下注射し、以降は8週間隔で皮下注射する。
薬価について

2022年3月現在のところ、薬価は未収載です。

薬価が決まり次第、お知らせいたします。

おそらく、コセンティクス®︎、トルツ®︎やルミセフ®︎と大きな値段の差はないと思われます。

副作用は?

重篤な副作用

重篤な感染症0.5 %
好中球減少0.5 %
炎症性腸疾患0.1 %未満

薬剤誘発性腸炎の可能性について

ルミセフ®︎以外のIL-17阻害薬(コセンティクス®︎、トルツ®︎、ビンゼレックス)の特徴として、

IL-17阻害薬による『 薬剤性の炎症性腸炎 』を認めることが、ごく稀にあります。

ビンゼレックス®︎においても、薬剤誘発性腸炎の可能性がごく稀にありますので、

使用中に血便や下痢、腹痛など消化器症状を認めた場合は、すぐにかかりつけ医にご相談ください。

※ なお、ルミセフ®︎については、IL-17受容体A抗体製剤であるためか、薬剤誘発性腸炎が上昇する報告はなくありません。その理由については、まだよくわかっておりません。

主な副作用

5 %以上 口腔カンジダ症(13.2%)
上気道感染
1 ~ 5 %未満毛包炎、白癬
単純ヘルペス感染
結膜炎
皮膚炎および湿疹
注射部位反応
1 %未満耳感染、胃腸炎
頭痛、ざ瘡
疲労

口腔カンジダ症の副作用が多く(13.2 %)、特に使用中は注意が必要です。

禁忌

  1. 重篤な感染症時
  2. 活動性結核感染症
  3. ビンゼレックス®︎に過敏症がある方

有効性【エビデンス】

ビメキズマブ(ビンゼレックス®︎) vs アダリムマブ(ヒュミラ®︎)との比較

尋常性乾癬を対象とした BE SURE 試験1)

  • ビメキズマブ(ビンゼレックス®︎)群 合計n=319
    1. Q4W/Q8W群 n=161
    2. Q4w群 n=158
  • アダリムマブ(ヒュミラ)群 n=159

PASI 90 達成率は、

16週時点で、ビメキズマブ群 86.2 %が、アダリムマブ群 47.2 %に比べて、有意に高いことが示された(p < 0.001)。

24週時点で、ビメキズマブ群 85.1 %が、アダリムマブ群 51.6 %に比べて、有意に高いことが示された(p < 0.001)。

➡︎ ビメキズマブは、アダリムマブの治療効果に劣らず(非劣性)、さらにそれよりも優れていること(優越性)が示されました。

ヒュミラ®︎(アダリムマブ)よりもビンゼレックス®︎の方が、治療有効性が高ったことが示されたのですね。

PASIスコアとは?

PASI(パシ)スコアは、

乾癬患者さんの紅斑(こうはん)、浸潤(しんじゅん)、落屑(らくせつ)の程度や症状が出ている範囲を調べて、

乾癬の重症度を点数であらわします

最高得点は72点で、点数が高いほど重症度が高いことを示します。

  1. PASI 75は、PASIスコアが 75 % 改善したことを表します。
  2. PASI 90は、PASIスコアが 90 % 改善したことを表します。

ビメキズマブ(ビンゼレックス®︎) vs ステラーラ(ウステキヌマブ®︎)との比較

尋常性乾癬を対象とした BE VIVID 試験2)

  • ビメキズマブ(ビンゼレックス®︎)群 n=321
  • ステラーラ(ウステキヌマブ®︎)群 n=163
  • プラセボ群 n=83

PASI 90 達成率は、

16週時点で、ビメキズマブ群 85.0 %が、ウステキヌマブ群 49.7 %やプラセボ群 4.8 %に比べて、有意に高いことが示された(p < 0.001)。

12週時点で、ビメキズマブ群 85.0 %が、ウステキヌマブ群 43.6 %やプラセボ群 2.4 %に比べて、有意に高いことが示された(p < 0.001)。

➡︎ ビメキズマブは、ウステキヌマブ(ステラーラ®︎)の治療効果に劣らず(非劣性)、さらにそれよりも優れていること(優越性)が示されました。

ビメキズマブ(ビンゼレックス®︎) vs セクキヌマブ(コセンティクス®︎)との比較

尋常性乾癬を対象とした BE RADIANT 試験3)

  • ビメキズマブ(ビンゼレックス®︎)群 合計n=362
    1. Q4W/Q8W群 n=215
    2. Q4w群 n=147
  • セクキヌマブ(コセンティクス®︎)群 n=354

PASI 100 達成率は、

16週時点で、ビメキズマブ群 61.7 %が、セクキヌマブ群 48.9 %に比べて、有意に高いことが示された(p < 0.001)。

48週時点で、ビメキズマブ Q4W/Q8W群 66.0 %・Q4W/Q4W群 73.5 %が、セクキヌマブ群 48.3 %と比べて、有意に高いことが示された(p < 0.001)。

➡︎ ビメキズマブは、セクキヌマブの治療効果に劣らず(非劣性)、さらにそれよりも優れていること(優越性)が示されました。

ビンゼレックス®︎の有効性のまとめ

有効性のまとめ

ビンゼレックス®︎は、ヒュミラ®︎(アダリムマブ:TNF阻害薬)、ステラーラ®︎(ウステキヌマブ:IL-12/23阻害薬)、コセンティクス®︎(セクキヌマブ:IL-17A阻害薬)のいずれ薬剤の治療効果にも劣らず(非劣性)さらにそれらよりも優れていること(優越性)が示されました。

3種類の機序の違う乾癬の生物学的製剤と比べて、効果がとらず、さらにそれらよりも優れていたのは、すごいですね!




ビンゼレックス®︎(ビメキズマブ)の作用機序は?

ビンゼレックス®︎は、IL-17AとIL-17Fを阻害することで、乾癬に対する治療効果を発揮する。

ビンゼレックス®︎は、抗IL-17A / IL-17F抗体製剤でした。

ビンゼレックスは、この炎症性サイトカインである IL-17A と IL-17F の両方を阻害することが、乾癬を改善させます

IL-17AとIL-17Fは、乾癬の病態に関わるサイトカインである。

乾癬における Th17細胞 の作用の模式図

(画像引用:Jason E Hawkes, et al. J Immunol 2018;201:1605-1613)

上図をご覧いただくと、Th17細胞から分泌されたIL-17AやIL-17Fは、乾癬に特徴的な、表皮の肥厚を誘導することがわかっています

なぜ、コセンティクス®︎よりも効果が高かったのでしょうか?

なぜ、臨床試験では、ビンゼレックス®︎の方がコセンティクス®︎よりも効果が高かったのですか?

コセンティクス®︎(セクキヌマブ)は、IL-17Aのみ阻害する抗IL-17A抗体製剤です。

しかし、ビンゼレックス®︎は、乾癬の病態形成に関わる IL-17A と IL-17F の両方を阻害することで、より効率的に強力に乾癬の病態を抑制できるということが考えられます

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〈参考〉

  • ビンゼレックス®︎(ビメキズマブ) 添付文書
  • 1) Warren RB. et al.:N Engl J Med. 385:130-141, 2021.
  • 2) Reich K. et al.:Lancet. 397:487-498, 2021.
  • 3) Reich K. et al.:N Engl J Med. 385:142-152, 2021
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“今回のまとめ”
  1. ビンゼレックス®︎(ビメキズマブ)は、抗IL-17A/IL-17F抗体製剤である。
  2. IL-17AとIL-17Fの両方を阻害することにより高い有効性を持つ。
  3. 臨床試験では、コセンティクス®︎、ステラーラ®︎、ヒュミラ®︎と比較して、非劣性および優越性を示した。

今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。ご参考になりましたら幸いです🥝 Twitterでのいいねやフォローをして頂けますと励みになりますので、ぜひよろしくお願いします🕊

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