こんにちは、今回は【 乾癬 】スキリージ®︎(リサンキズマブ)の特徴について取り上げていきたいと思います。
今回は、生物学的製剤で、乾癬に適応のあるスキリージ®︎を紹介していきたいと思います。
スキリージ®︎の一般名のリサンキズマブって、もう名前がわけわからないですね^^;
スキリージ®︎(リサンキズマブ)について
スキリージ®︎は、生物学的製剤の一つで、2019年5月に発売された、日本初の『抗IL-23 p19抗体製剤』です。
正確には、ヒト化抗ヒトIL-23 p19モノクローナル抗体製剤と言います。
抗体製剤の種類としては、トレムフィア®︎(グセルクマブ)も同じ抗IL-23 p19抗体製剤です。
適応疾患は?
スキリージ®︎の適応疾患は、以下のようになります。
〈乾癬〉
尋常性乾癬
関節症性乾癬
膿疱性乾癬
乾癬性紅皮症
どんなときに良い適応になりますか?
〈乾癬〉・・・紫外線を含む既存治療で十分な効果が得られない場合、および難治性の皮疹や関節症状がある場合に良い適応となります。
用法用量は?
1 ~ 2回目 | 1回 150 mg | 4週後に2回目を投与(皮下注) |
3回目以降 | 1回 150mg | 2回目投与以降は12週間感覚で投与(皮下注) |
患者さんの状態に応じて 1回 75mgに投与も可能です。
薬価は、以下のようになります
皮下注 75mg シリンジ 1筒 243,807円
※薬価は変動する場合がありますのでご注意ください。
3回目以降の12週間隔になった場合は、1回150mgなので、約49万円ほど、3割負担ですと15万円ほどになりますね。
これを1ヶ月にすると、およそ5万円ほどの薬代となりますね。
副作用は何がありますか?
5%以上 | 上気道感染 |
1 ~ 5%未満 | 注射部位反応、白癬感染、頭痛 |
1%未満 | 毛包炎、疲労 |
重篤な副作用
- 重篤な感染症( 0.7 %)
- アナフィラキシー( 0.1 %)
強いアレルギー反応でアナフィラキシーを起こす可能性も0ではないですが、非常にまれです。
スキリージ®︎(リサンキズマブ)の特徴について
同じ乾癬に適応のあるステラーラ®︎(ウステキヌマブ)よりも有意に高い皮膚改善率を示した
国内外の第III相試験では、中等症から重症の尋常性乾癬患者さんにおいて、スキリージ®︎投与群は、ステラーラ®︎(ウステキヌマブ)群、プラセボ群に比べ、有意に高い皮膚症状の改善率を達成しました。
文献) Gordon, K.B., et al.:Lancet 2018;392:650-61
関節症性乾癬に対するスキリージ®︎の効果は?
・スキリージ®︎群とプラセボ(薬剤効果なし)群を比べたところ、16週時点でのACR20反応率は、スキリージ®︎(150 mg)群では61.9%、プラセボ群では35.7%で、スキリージ®︎群の方が有意な改善率を認めました。
スキリージ®︎群 (リサンキズマブ 150 mg) | プラセボ群 (薬剤効果なし) | |
ACR20 (20%以上の改善) | 35.7 % (15 / 42 例) | 61.9 % (26 / 42 例) |
※ ACR20とは、関節リウマチの臨床試験で用いられる有効性基準で、腫脹・圧痛関節数が20%以上改善し,さらに複数の項目で20%以上の改善を満たす場合に判定されます。
悪性腫瘍の発現率は?
・スキリージの悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の発現率は、一般の乾癬患者で報告されている発現率と変わりありませんでした。
悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)発現率 | ||
スキリージ®︎ | 0.6 / 100人年 (発現割合:0.5%,9/1,672例) | 95%信頼区間: 1.35,1.49) |
一般の乾癬患者さん | 1.42 / 100人年 |
文献) Kimball, A.B., et al.:Br. J. Dermatol. 2015;173:1183-90
作用機序は?
スキリージ®︎(リサンキズマブ)は、IL-23 p19サブユニットに対するモノクローナル抗体です。
IL-23 は、Th17 の分化、増殖およびその維持に関与するサイトカインです。
スキリージ®︎は、IL-23のp19サブユニットに結合することによってIL-23の活性を特異的に阻害し、IL-23の下流にあるTh17へのシグナル伝達を抑制します。
https://a-connect.abbvie.co.jp/products/skyrizi/pharmacology_01.htmlより引用
・IL・・インターロイキン(炎症性サイトカインの一つ)。
・Th17・・ヘルパーT細胞17。T細胞はリンパ球の一つで、さらにT細胞のうちの一つがヘルパーT細胞です。
参考)
- スキリージ®︎(リサンキズマブ) 添付文書
- 金城光代 リウマチ・膠原病の治療薬の使い方 洋土社
- 浦部 晶夫ら 今日の治療薬 南江堂
- スキリージ®︎(リサンキズマブ)は、抗IL-23 p19抗体製剤である。
- スキリージ®︎は、乾癬に適応がある。
- スキリージ®︎は同じ乾癬に適応のあるステラーラ®︎(ウステキヌマブ)よりも有意に高い皮膚改善率を示した。
今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。ご参考になりましたら幸いです? Twitterでのいいねやフォローをして頂けますと励みになりますので、よろしくお願いします?
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※個人個人で症状の違いがあるため、詳細な治療などにつきましては直接医療機関へお問い合わせください。