強皮症

強皮症ってどんな病気?【SSc】


〜 The Point 〜

  1. 強皮症は、膠原病の一つで、全身に繊維化を起こす病気である。
  2. 強皮症の特徴的な症状は、皮膚硬化、間質性肺炎、レイノー現象である。
  3. 強皮症には、抗Scl-70抗体、抗セントロメア抗体、抗RNAポリメラーゼ抗体の3つの抗体がある。
  4. 抗Scl-70抗体、抗RNAポリメラーゼⅢ抗体は症状重いタイプの強皮症で、抗セントロメア抗体は比較的症状が軽いタイプの強皮症である。

今回は、膠原病の一つである「強皮症」を取り上げていきたいと思います。

強皮症と、ひとくくりに言っても、強皮症に特徴的な抗体は、3つあり、それぞれ出やすい症状も変わってきます。

また、強皮症は日本では、1 : 9 と女性に多く、40〜50歳代に最も多くなります。

強皮症ってどんな病気?

強皮症は、皮膚が強くなる病気と書きますが、その名の通り全身の皮膚や臓器に線維化を起こし、身体が硬くなってしまう難病です。

線維化って?

私たちの身体は、37兆個もの細胞でできているといわれていますが、その細胞同士の間をうめる間質という部分があります。

その間質は、コラーゲンなどの線維組織が占めています。

この線維組織の部分が過剰に産生されることで、身体の線維質の部分が多くなり、皮膚や臓器が硬くなってしまうことを「線維化」といいます。

強皮症の症状は何ですか?

強皮症に認める症状には、主に以下のものがあります。

  • 皮膚硬化
  • レイノー現象
  • 間質性肺炎
  • 手指や足趾の陥凹性瘢痕や萎縮
  • その他(関節炎、筋炎、消化器障害、心筋障害、肺高血圧症、腎障害)

皮膚硬化

強皮症は、身体に線維化を起こす病気と書きましたが、繊維化によって皮膚が硬くなる「皮膚硬化」を認めます。

皮膚硬化は、手足の指から進行していきます。

皮膚硬化によって、指が硬化してソーセージの様に腫れたり、前腕や足の皮膚が硬くなってきます

また、顔面の皮膚が硬くなると「仮面様顔貌」といって、表情が少ない顔貌になってしまいます。

〈 硬化した指 〉

レイノー現象

レイノー現象は、強皮症の初発症状として最も多い症状です。

レイノー現象とは、『 突然指趾が、蒼白化し、数分後に紫色となり、その後びまん性な紅潮を経て正常皮膚色に戻る一連の現象 』を言います。

〈 レイノー現象の指 〉

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間質性肺炎

強皮症に多い症状として、「間質性肺炎」があります。

先ほど、細胞同士の間にある間質という部分が、線維化してくると書きました。

間質性肺炎もまさに、鼻から入った空気を交換する「肺胞」の間を埋める部分が間質であり、この間質が線維化してくる病気です。

その他

その他に、関節炎(関節痛)筋炎(筋痛)といった症状を認めます。

また、消化器障害や心筋障害、肺高血圧症、腎障害といった、身体の重要な臓器にも線維化が進行してくると、生命予後やQuality of life(QOL:生活の質)に強く関係してきます。




どんな検査がありますか?

強皮症で行う検査は、血液検査、尿検査、レントゲンはもちろん、CT検査やエコー(心臓や関節など)などで全身の臓器病変を調べます。

・血液検査で、チェックすべき項目↓

項目ポイント
LD間質性肺炎の指標になる
KL-6間質性肺炎の指標になる
SP-D間質性肺炎で特に活動性の時に上昇する
抗核抗体95%以上で陽性になる

KL-6やSP-Dは、保険適応の兼ね合いもあり、毎回検査されるものではありません。

強皮症では間質性肺炎の合併に注意をする必要があるため、その指標である、『 LD、KL-6、SP-D 』をチェックします。

その中でも、SP-Dは活動性が高い間質性肺炎で上昇するため、間質性肺炎の活動性をみる指標になります。

抗核抗体は、膠原病などの自己免疫疾患をスクリーニングする際に測る項目です。

強皮症では、95%以上の人が上昇するため、特徴的な項目の一つです。

間質性肺炎のCT画像

強皮症に特異的な抗体は何ですか?

ここで、大事な強皮症の特徴的な抗体について紹介します。

強皮症に特徴的な抗体は、『 抗Scl-70抗体、抗RNAポリメラーゼⅢ抗体、抗セントロメア抗体 』の3つです。

ここで、強皮症には皮膚硬化の範囲によって2つのタイプに分類され、「びまん皮膚硬化型強皮症」「限局皮膚硬化型強皮症」に分けられます。

びまん皮膚硬化型強皮症は、皮膚の広い範囲に皮膚硬化を認め、その分、臓器病変の症状も強くなることが多いです。

イメージとしては、強皮症の中でも、症状が重いタイプとなります。

限局皮膚硬化型強皮症は、皮膚の限局した部分に皮膚硬化を認め、その分、臓器病変の症状も軽いことが多いです。

同じように、症状が軽いタイプの強皮症となります。

抗Scl-70抗体、抗RNAポリメラーゼ抗体は、主にびまん限局皮膚硬化型強皮症を呈します。

抗セントロメア抗体は、主に皮膚限局型を呈します。

びまん皮膚硬化型限局皮膚硬化型
皮膚硬化の範囲肘より近位に拡大する肘より抹消に限局する
病勢の進行比較的急速緩徐なことが多い
臓器病変肺、腎、食道肺、食道
特徴的な抗体抗Scl-70抗体、抗RNAポリメラーゼⅢ抗体抗セントロメア抗体

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