今回は、JAK阻害薬の一つジセレカ®︎(フィルゴチニブ)について説明していきます。
〜 The Point 〜
- ジセレカ®︎はJAK阻害薬の一つ。国内では、1番後に出たJAK阻害薬。
- 1日1回200mgの錠剤を内服。
- ジセレカ®︎はJAK1への選択性が高い。
- 他のJAK阻害薬と比べて帯状疱疹の頻度が少ない。
ジセレカ®︎(フィルゴチニブ)について
ジセレカ®︎は、JAK阻害薬の1つです。JAK阻害薬は、IL-6(インターロイキン)などの炎症性サイトカインの情報を免疫細胞内に伝達するのを阻害する事で効果を発揮します。
炎症性サイトカインの多くがこのJAKを通して細胞内シグナル伝達されるため、高い治療効果が期待できます。
飲み方はどうですか?
用法は、1回200mgを1日1回内服します。腎機障害が中等度の方は1回100mgに減量します。末期腎不全がある方は、投与出来ません。
また、ジセレカは、国内では1番後に出たJAK阻害薬です。2020年11月から発売となりました。
2021年4月時点では、まだ2週間処方しか出来ません。2021年12月頃から長期処方(3ヶ月分)に切り替わると思われます。
メトトレキサートは併用が望ましいですが、どうしても併用が難しい場合は単剤で行くこともあります。
単剤でも関節破壊抑制効果があります。
どういった作用機序ですか?
ジセレカ®︎は、JAKファミリー(JAKの種類です)の中の主にJAK1への選択性が高いJAK阻害薬です。
JAKとは、免疫細胞(リンパ球など)内にあるタンパクで、炎症性サイトカインなどの情報を細胞内にシグナル伝達する役割を持ちます。
なので、JAKを阻害することで、炎症の伝達を遮断することができます。
ジセレカはJAK1を強く阻害することが分かっています。
JAK1はIL-6(インターロイキン)やTNF-αといった炎症性サイトカインが核に伝える役割があるため、これを選択的に阻害することで、高い抗炎症効果を発揮します。
副作用はどうですか?
結核、肺炎、敗血症などの重篤な感染症、消化管穿孔、肝障害、血球減少、帯状疱疹などが報告されております。
発熱や風邪症状がある場合は、症状が落ち着くまでスマイラフ®︎を一旦中止するのが通常です。
再開のタイミングについてはかかりつけの先生とご相談ください。
また、肝障害や血球減少については、定期受診時の血液検査などでフォローすることが通常です。
また、ジセレカの特徴として、JAK阻害薬に多い帯状疱疹の頻度が少ないことがあります。
今後はより年配の方など、帯状疱疹のリスクが高い方への投与が検討されるかと思います。
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※個人個人で症状の違いがあるため、詳細な治療などにつきましては直接医療機関へお問い合わせください。