リマチル®︎(ブシラミン)について
〜 The Point 〜
- リマチル®︎(ブシラミン)は、抗リウマチ薬で、免疫調節薬の一つである。
- タンパク尿の副作用に注意。
- タンパク尿以外は、副作用が比較的少ない薬剤である。
今回は、リウマチの治療薬「リマチル」を取り上げてみたいと思います!リマチルは、免疫調節薬の一つで、免疫抑制作用は低い抗リウマチ薬です。
用法は?
投与開始時は、1日1回(朝) 1回1錠100mg で内服を開始します。
開始後3ヶ月は副作用がないかをしっかり観察します。その後、問題なければ、1日2回(朝・夕)に増量します。
どんな時に使いますか?
- 感染症のリスクが高い方(高齢者や免疫抑制薬を使用している)
- リウマチでメトトレキサートが使用できない時
- メトトレキサートで効果が不十分だが、生物学的製剤(Bio製剤)やJAK阻害薬までは必要ない時
副作用は?
黄色爪症候群
リマチル®︎(ブシラミン)によって最も多い副作用は、「タンパク尿」です。多くは開始後3、4ヶ月以内に生じますが、時々長期に使用している場合でも起こることがあります。
そのため、内服開始後、毎回外来にて尿検査を行い、タンパク尿のフォローをします。
「タンパク尿」以外は、基本的には副作用の頻度は少なく、安心して使用できる薬剤です。
また、免疫調節薬であり、感染症のリスクはありません。
その他の重要な副作用は、皮膚障害、骨髄抑制、肝障害、間質性肺炎(頻度は稀)があります。
また、リマチル®︎に特有の副作用として、黄色爪症候群がありますが、通常は内服中止によって改善します。
作用機序は?
リマチル®︎(ブシラミン)は、副作用の少ないDーペニシラミン類似物質です。
また、滑膜細胞からのIL-6(インターロイキン)といった炎症性サイトカイン分泌を抑制することで、抗リウマチ効果を発揮します。
注意点は?
「タンパク尿」は自覚症状がないことが多いので、定期的に尿検査をしてフォローすることが大切です。
妊婦への投与は安全性が確立していなく、禁忌にはなっていないですが、有益性が危険性を上回るときのみ投与することとなっています。また、授乳中の女性には投与しません。
個人的には、リマチル®︎(ブシラミン)を処方することは稀で、昔からのリウマチの患者さんが、長い間飲んでいる印象が強いお薬です。免疫調節薬の種類も多く、あえてリマチル®︎を選択する場面が少ないからかもしれません。
ちなみに個人的によく使う免疫調節薬は、ケアラム®︎(イグラチモド)、アザルフィジン®︎(サラゾスルファピリジン)が多いです。
今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。参考になりましたら、高評価、コメントを頂けましたら嬉しいです?またTwitterのフォローもお願いします?
リンク