こんにちは、今回は【 生物学的製剤 】ステラーラ®︎(ウステキヌマブ)の特徴についてを取り上げていきたいと思います。
今回は、乾癬、潰瘍性大腸炎やクローン病で使われている、ステララーラ®︎について紹介していきたいと思います。
よろしくお願いしますっ!
ステラーラって、なんか効いてくれそうな名前ですね!
ステラーラ®︎(ウステキヌマブ)について
ステラーラ®︎(ウステキヌマブ)は、生物学的製剤の一つで、抗IL-12/23p40抗体製剤です。
正確には、ヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体製剤といいます。
なんだかわかりづらいですね。。。
ですが、この記事が終わるころには、抗IL-12/23p40抗体製剤の意味をご理解頂けるかと思います。
適応疾患
ステラーラ®︎の適応疾患は、以下のようになります。
〈 乾癬 〉
・尋常性乾癬
・関節症性乾癬
〈 炎症性腸疾患 〉
・潰瘍性大腸炎
・クローン病
どんな時に使ったらいいの?
- 尋常性乾癬 / 関節症性乾癬・・紫外線含む既存治療で十分な効果が得られない場合、および難治性の皮疹や関節症状がある場合に良い適応となります。
- クローン病・・薬物療法や栄養療法{メサラジン(アサコール®︎、ペンタサ®︎、リアルダ®︎)、ステロイド(プレドニン®︎など)、イムラン®︎/アザニン®︎(アザチオプリン)}などによる治療を行なっても効果が不十分の場合に良い適応となります。
用法は?
ステラーラ®︎は、基本的に皮下注射で投与します。潰瘍性大腸炎やクローン病については、初回のみ点滴静注を行います。
尋常性乾癬、関節症性乾癬
投与間隔 | ||
1回目 | 皮下注 1筒 45 mgを投与 | 4週後に2回目を投与 |
2回目以降 | 皮下注 1筒 45 mgを投与 | 12週毎 |
効果不十分の場合は、90mg(皮下注2本)まで増量可能です。
12週間隔(約3ヶ月)での皮下注射で良いため、患者さんの負担が少なく、薬の継続率が上がる。
潰瘍性大腸炎 / クローン病
投与間隔 | ||
1回目 | 点滴静注 130 mgを投与 | 8週後に2回目を投与 |
2回目以降 | 皮下注 1筒 90 mgを投与 | 12週毎 |
効果が減弱した場合は、8週間隔に短縮可能できます。
薬価は、以下のようになります(2020年3月改訂)
点滴静注 1瓶 130mg 193,123円
皮下注シリンジ 1筒 45mg 381,818円
※薬価は、改訂になる場合があるので目安としてください。
乾癬の場合は、12週ごとの皮下注射で、3割負担では約11万5000円となり、1月当たりおよそ3万8000円になりますね!
一方、潰瘍性大腸炎やクローン病の場合は、2回目以降だと乾癬の倍かかり、1ヶ月当たりおよそ7万6000円になりますね。
ただ、潰瘍性大腸炎やクローン病の場合は、特定疾患が適応されれば、国からの補助が受けられます。
副作用はどんなものがありますか?
1 ~ 5%未満 | 上気道感染症、悪心・嘔吐、発疹、疲労感、浮動性めまい、注射部位反応など |
1%未満 | 咽喉頭疼痛、下痢、蕁麻疹、掻痒症、背部痛など |
重篤な副作用
- 重篤な感染症(1 ~ 5%)
- アナフィラキシー(頻度不明)
強いアレルギー反応でアナフィラキシーを起こす可能性も0ではないですが、非常にまれです。
ステラーラ®︎の特徴について
・乾癬の皮膚症状には、TNF阻害薬(レミケード®︎やヒュミラ®︎など)などの他の生物学的製剤よりも高い効果を認める場合があります。
文献)
- McInnes IB, et al. Lancet, 2013;382:780-789.
- Griffiths CE, et al. N Engl J Med, 2010;362:118-128.
作用機序は?
・ステラーラ®︎(ウステキヌマブ)は、炎症性サイトカインであるIL(インターロイキン)-12とIL-23に共通するp40サブユニットに対するモノクローナル抗体です(下図参照)。
・IL-12 / IL-23の受容体との結合を阻害し、Th1、Th17への分化シグナルを阻害します。
Th1(T helper 1 cell)やTh17(T helper 17 cell)は、ヘルパーT細胞の仲間です。これらは、自己免疫疾患の中でも、乾癬や潰瘍性大腸炎、クローン病などで、特に関係があるヘルパーT細胞です(下図2参照)。
https://ph-lab.m3.com/categories/clinical/series/featured/articles/64より引用
・ステラーラ®︎は、IL-12 / 23の共通構成タンパクであるp40に親和性が高く結合し、高い持続性を持ちます。
参考)
- ステラーラ®︎(ウステキヌマブ) 添付文書
- 金城光代 リウマチ・膠原病の治療薬の使い方 洋土社
- 浦部 晶夫ら 今日の治療薬 南江堂
- ステラーラ®︎(ウステキヌマブ)は、乾癬、関節症性乾癬、潰瘍性大腸炎やクローン病に適応がある。
- ステラーラは、IL-12 / IL-23の共通構成タンパクであるp40を阻害することによって、炎症性サイトカインであるIL-12やIL-23の働きを阻害する。
今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。ご参考になりましたら幸いです? Twitterでのいいねやフォローをして頂けますと励みになりますので、よろしくお願いします?
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※個人個人で症状の違いがあるため、詳細な治療などにつきましては直接医療機関へお問い合わせください。