こんにちは、今回はシェーグレン症候群の治療について取り上げていきたいと思います!
それでは、早速やっていきましょう!
腺症状(乾燥)に対して
一般的に腺症状に対しては、ステロイドの有効性はありません。
眼:点眼薬としては以下のものがあります。
人工涙液:人工涙液マイティア®︎
ヒアルロン酸:ヒアレイン®︎(ヒアルロン酸ナトリウム)
ジクアホソルナトリウム:ジクアス®︎(ジクアホソルナトリウム)
〈 マイティア®︎の点眼薬 〉
〈 ヒアレイン®︎の点眼薬 〉
口腔:
口腔乾燥が続くと、『虫歯や口腔カンジダ』に直結するため、口腔ケアの徹底や歯科受診はとても大切です!
薬物療法としては、サラジェン®︎(ピロカルピン)、エボザック®︎(セビメリン)があります。
副作用として、消化器症状(下痢、)、発汗・多汗、頭痛や頻尿などがあります。副作用がどうしても強く出てしまう場合もあり、注意が必要です。
また、サリベート®︎という人工唾液のスプレーもあります。人工唾液は、内服薬よりも副作用が少ないため、内服薬で合わなかった場合は一度検討してみて下さい。
〈 サリベート®︎のエアゾールスプレー 〉
腺外症状に対して
重症臓器障害がある場合
シェーグレン症候群で認める可能性のある重症臓器障害とは、
- 進行性の間質性腎炎
- 活動性の間質性肺障害
- 肺高血圧症
- 末梢神経障害、中枢神経障害
- 臓器障害を伴う血管炎
- 自己免疫性肝炎
- 高度の血小板減少、自己免疫性溶血性貧血
などがあります。
シェーグレン症候群による重症臓器障害は、決して頻度が高いわけではなく、目立った腺外症状を認めない場合もあります。
これらの症状を認めた場合は、臓器病変と重症度に応じて、ステロイドやリツキサン®︎(リツキシマブ)等が使用されます。ただし、リツキサン®︎は、シェーグレン症候群に対しては保険適応外となります。
〈 リツキサン®︎(リツキシマブ)の点滴 〉
注意点
シェーグレン症候群で、注意が必要な点は、『悪性リンパ腫』を合併する割合が、一般人と比べて高くなります。その割合は、3 ~ 5%と報告されています。
普段の生活の中で、「あれ首のしこりが大きくなってきたなとか、こんなところに脇のしこりがあったっけ」と気が付いた際は、一度医療機関にご相談されることをお勧めします。
ただし、シェーグレン症候群自体の生命予後は一般の方と変わりはありません。
乾燥症状を来たす他の疾患について
シェーグレン症候群以外にも乾燥症状を認める疾患はあります。もしかしたら、シェーグレン症候群以外の可能性があるかもしれません。眼球乾燥と口腔乾燥それぞれについてまとめましたので、参考にしてください。
眼球乾燥 | 蒸発亢進による‥顔面神経麻痺、甲状腺眼症、パーキンソン病、コンタクトレンズの使用、パソコン作業 涙液分泌低下による‥加齢、HIV、C型肝炎、サルコイドーシス、糖尿病、脱水、リンパ腫、薬剤性(抗ヒスタミン薬、三環系抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系睡眠薬、利尿薬など) |
口腔乾燥 | ・全身性疾患‥サルコイドーシス、HIV、C型肝炎など ・薬剤(抗ヒスタミン薬、三環系抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系睡眠薬、利尿薬など) ・糖尿病、脱水 ・口呼吸、鼻閉塞 ・頭頸部の放射線照射 |
- 腺症状に対する治療と腺外症状に対する治療に分かれる。
- 腺症状に対してはステロイドは有効でない。
- シェーグレン症候群の方は悪性リンパ腫の発症には注意する。
今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。参考になりましたら、高評価、コメントを頂けましたら嬉しいです?またTwitterのフォローもお願いします?
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※個人個人で症状の違いがあるため、詳細な治療などにつきましては直接医療機関へお問い合わせください。