治療薬

【ネオーラル®︎(シクロスポリン)の特徴】


〜 The Point 〜

  • ネオーラル®︎(シクロスポリン)は、免疫抑制薬で、カルシニューリン阻害薬に分類される。
  • 膠原病の分野では、ネフローゼ症候群や眼症状のあるベーチェット病に適応がある。
  • 血中濃度(主にトラフ値)を測定し、副作用が出にくい値に調整する。

ネオーラル®︎(シクロスポリン)について

今回は、免疫抑制薬の一つで、カルシニューリン阻害薬に分類される「ネオーラル®︎(シクロスポリン)」について取り上げていきたいと思います。また、サンディミュン®︎という名前でも発売されております。

カルシニューリン阻害薬には、他にプログラフ®︎(タクロリムス)があります。プログラフの方が、膠原病ではメジャーかと思いますね。

https://life-one9.com/2021/05/18/%e3%80%90%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%95%ef%b8%8e%ef%bc%88%e3%82%bf%e3%82%af%e3%83%ad%e3%83%aa%e3%83%a0%e3%82%b9%ef%bc%89%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6%e3%80%91/




適応疾患は何ですか?

ネオーラル®︎のカプセル

ネオーラル®︎は、膠原病ではあまり登場頻度は少ないのですが、血液疾患では、再生不良性貧血にはよく使用される薬剤です。以下の疾患に適応を挙げます。


  • ネフローゼ症候群(膠原病に限らない)
  • 眼症状のあるベーチェット病
  • その他(臓器移植時、尋常性乾癬、再生不良性貧血、全身型重症筋無力症、アトピー性皮膚炎)

また、優秀な免疫抑制剤の一つなので、膠原病の方の中等症から重症の症状がある場合の、併用薬として使用されることがあります。例えば、間質性肺炎やループス腎炎などの併用薬として使われます。

用法は何ですか?

ネオーラル®︎(シクロスポリン)は、基本的にカプセルを内服します入院中の内服が難しい方には、サンディミン®︎の点滴を使用する場合もあります。ネオーラル®︎のカプセルは、独特の風味があり、少し内服をためらわれる方もいらっしゃいます。

  • ネフローゼ症候群 1回 0.75〜1.5 mg/kg 1日2回 (50kgの場合、1回 50mg前後を内服)
  • 眼症状のあるベーチェット病 1回 2.5mg/kg 1日2回 (50kgの場合、1回 125mgを内服)

ネオーラル®︎(シクロスポリン)は、神経ベーチェット誘発の危険性があり、他の代替薬で可能なため積極的には使用しません。

副作用は何ですか?

主に以下のものがあります。

  • 易感染性
  • 腎障害
  • 高カリウム血症
  • 体毛が増える(多毛)
  • 歯肉が厚くなる
  • その他(高尿酸血症、低マグネシウム血症)

プログラフ®︎と副作用は重なる部分は多いですが、ネオーラル®︎(シクロスポリン)に多い特徴として、多毛や歯肉が厚くなる、高尿酸血症、低マグネシウム血症が特徴的です。

以上の中で、注意が必要なものは、易感染性、腎障害、高カリウム血症です。易感染性については、免疫抑制剤であるため、感染症の出現には注意が必要です。具体的には、発熱や、咳、痰などの呼吸器症状や、頻尿や排尿時痛といった膀胱症状などを認めた場合は、肺炎、尿路感染症の可能性があるため、医療機関を受診することをお勧めします。

感染症時には、一時的にネオーラル®︎(シクロスポリン)は、中止し、症状が落ち着いたら再開するのが通常です。

また、腎障害、高カリウム血症は、外来での血液検査にて評価していきます。あまり頻度は多くないですが、尿の出が悪くなったなどがあれば注意してください。

血液検査で、カリウムが高いと指摘された場合は、バナナやトマト、キャベツなどの野菜、芋類などは比較的カリウムが多いので、なるべく控えるようにお願いするようにお伝えしています。

作用機序は何ですか?

ネオーラル®︎(シクロスポリン)リンパ球(白血球の一つ)のうちのT細胞の細胞内分子であるカルシニューリンの活性を阻害します。それによって、各種炎症性サイトカインを抑制し免疫抑制効果を発揮します。

注意点はありますか?

ネオーラル®︎は、血中濃度をコントロールすることで、副作用や効果をコントロールすることができます。通常外来では、副作用を最小限にすることを目的に、血中濃度を測定します。

副作用には、「トラフ値」を測定します。来院前のネオーラル®︎の内服はしないで来てもらい、その値が『100〜150 ng/ml』であれば、適切な範囲となります。

この範囲でも、症状が出る場合がありますので、その場合は、医師と相談しながら投与量を調節する流れになるかと思います。

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