ベーチェット病

コルヒチンの特徴について

こんにちは、今回はコルヒチンの特徴について取り上げていきたいと思います。

コルヒチンは膠原病でもよく使われているお薬ですよね!
よろしくお願いしますっ!

コルヒチンについて

コルヒチンは、昔からあるお薬で、

『 免疫調節薬 』に分類され、免疫抑制薬ではありません。

なので、一般的に感染症のリスクが上がる薬ではありません。

適応疾患は?

適応疾患は、以下のようになります。

〈保険適応の疾患〉

痛風

偽痛風

家族性地中海熱

〈保険適応外だけど使われる疾患〉

ベーチェット病

掌蹠膿疱症

どんな時に良い適応となりますか?

  • 痛風発作時、あるいは痛風発作後の発作予防
  • 慢性痛風性関節炎
  • 慢性偽痛風(慢性ピロリン酸カルシウム関節炎)
  • 家族性地中海熱の治療
  • 眼症状、皮膚症状や関節症状のあるベーチェット病

用法用量は?

痛風、偽痛風

発作時1日 3 ~ 4 mg6 ~ 8回内服
発病予防1日 0.5 ~ 1 mg
発作予感時1回 0.5 mg

家族性地中海熱

1日 0.5 mg、 1 ~ 2回分服

最大: 1日 1.5 mgまで

ベーチェット病

例) 1日 0.5 ~ 1.5 mg 2回分服 (保険適応外)

飲み方は、痛風や偽痛風の発作時以外では、まずは1日 0.5 mg(1錠)から開始し、下痢などの副作用が強くなければ、容量を増量していくことが多いです。

薬価について

薬価は、以下のようになります。

0.5 mg 1錠 6.8円

コルヒチンは、昔からある薬なので安価なお薬ですね。




副作用は何がありますか?

頻度不明
過敏症全身の掻痒、発疹など
消化器症状下痢、悪心・嘔吐、腹痛
腎臓BUN上昇、クレアチニン上昇、蛋白尿など
肝臓肝機能異常(AST / ALT上昇)
その他脱力感、脱毛

注意すべき副作用

コルヒチンで特に注意すべき副作用は、『下痢』に注意が必要です。

症状が強ければ、まずは減量したり、感染性でなければ止痢薬(ロペミン®︎など)を併用します。

それでも、改善が乏しければ中止も検討します。

重大な副作用

基本的には、重大な副作用はほとんどまれですが、再生不良性貧血、白血球減少、横紋筋融解症、末梢神経障害がおこる場合もありますので、異常があればすぐに報告してください。

代謝経路は?

コルヒチンは『肝臓のCYP3A4酵素』で代謝されるため、肝代謝がメインの薬剤です。

注意する併用薬はありますか? 〜薬剤相互作用について〜

コルヒチンはCYP3A4酵素誘導をする薬剤との併用には注意します。

抗菌薬:クラリス®︎/クラリシッド(クラリスロマイシン)、エリスロシン®︎(エリスロマイシン)

抗真菌薬:イトリゾール®︎(イトラコナゾール)、ジフルカン®︎(フルコナゾール)

循環器薬:ヘルベッサー®︎(ジルチアゼム)、ワソラン®︎(ベラパミル)

免疫薬製剤:ネオーラル®︎/サンディミン®︎(シクロスポリン)

コルヒチンの血中濃度が増加し、作用が増強することがあり注意が必要です。

妊婦への投与は?

妊婦または妊娠している可能性のある女性には禁忌となっています。

コルヒチンの特徴について

・コルヒチンの特徴は、なんといっても、免疫抑制薬ではなく免疫調節薬であり、『感染症のリスクを上げない』ことです。

・免疫抑制薬と違って、重大な副作用の頻度は少ないが、やや癖のある薬である。

・下痢に注意。

作用機序は?

コルヒチンが、免疫系のどこに作用しているのかというと、

ズバリ『 好中球 』です。

コルヒチンは、好中球の作用を阻止しています。

具体的には、好中球が組織に遊走する際の走化性因子(LTB4、IL-8)に対する反応性を著名に低下させます。

https://kusuri-jouhou.com/medi/gout/colchicine.html より引用)

痛風では

痛風発作時には、関節内などの局所に浸潤した白血球の尿酸貪食作用および貪食好中球の脱顆粒が上昇しています。

コルヒチン投与によって、好中球が関節内などの局所に遊走するのを防いでくれます。

これによって、痛風発作が抑えられるのです。

結晶(この症例は、偽痛風の原因となるピロリン酸カルシウム)を食べている白血球

http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-0c09.html より引用)

文献)

  • コルヒチン 添付文書
  • 金城光代 リウマチ・膠原病の治療薬çの使い方 洋土社
  • 浦部 晶夫ら 今日の治療薬 南江堂
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今回のまとめ

・コルヒチンは、痛風、偽痛風、家族性地中海熱に適応がある。(ベーチェット病は保険適応外)

・コルヒチンは、免疫調節薬である。

・コルヒチンは、作用機序は好中球の遊走を阻害することである。

今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。ご参考になりましたら幸いです? Twitterでのいいねやフォローをして頂けますと励みになりますので、よろしくお願いします?

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