血管炎

巨細胞性動脈炎の治療について【GCA】


〜 The Point 〜

  • 治療はステロイドが基本になり、『眼症状、中枢神経症状、脳神経症状のある場合』と『ない場合』に分けられる。
  • ステロイド抵抗性の場合や、副作用が強い場合は、他の免疫抑制薬を併用する。
  • 禁忌がない限り、抗血小板薬を併用が推奨される。

こんにちは、今回は巨細胞性動脈炎の治療について取り上げていきたいと思います。

巨細胞性動脈炎の治療について

巨細胞性動脈炎は、ステロイドによる治療が基本になります。

また『眼症状、中枢神経症状、脳神経症状のある場合』『ない場合』で治療は大きく分けれらます。

① 眼症状、中枢神経症状、脳神経症状のある症例

以上の3つの症状のいずれかを認めた場合は、初期治療が不十分だと、失明や麻痺などの後遺症が残ってしまう可能性があるため、『ステロイドパルス』というとても強い治療を行います。

ステロイドパルスとは?

ステロイドパルスとは、通常のステロイド(プレドニン®︎)よりも、何倍も多い量を3日間点滴する方法です。

ステロイドパルスを説明する際に私はよく、「今膠原病の炎症によって、身体に山火事が起きているから、バケツの水で消火するのではなく、大量の水で消火するような治療です」と言っています。

具体的には、メチルプレドニゾロン(ソル・メドロール®︎)というステロイドを、1日 1000mg 点滴にて投与します。これを通常3日間続けます。

プレドニン®︎(プレドニゾロン)は、高用量だと60 mg程度が一般的ですが、ステロイドパルスだと1日に1000mgも使用します。バケツ一杯の水ではなく、大量の水という意味が伝わったでしょうか。

その後は、ステロイド後療法といってプレドニン®︎の内服を行うのが通常です。

巨細胞性動脈炎の場合は、ステロイドパルス後はステロイド後療法をプレドニン®︎ 1 mg/kgで投与します。例えば、60 kgの方だと、60 mg/日になります。

その後、初期量を2~4週継続し、症状、赤沈1時間値(ESR)、CRPなどを指標にしながら随時減量していきます。

② 眼症状、中枢神経症状、脳神経症状のない症例

以上の3症状がない場合は、中等量ステロイドを行います。具体的には、プレドニン®︎(プレドニゾロン) 0.5 mg/kgの投与量となります。例えば、60 kgの方だと、30 mg/日となります。

初期量を2~4週継続後、随時減量していきます。




ステロイド抵抗性や副作用が強い場合

ステロイドを減量中に症状が再燃する場合をステロイド抵抗性と呼びます。こういったステロイド抵抗性の場合や、副作用が強い場合は、他の免疫抑制薬を併用していきます。

最近は、IL-6阻害薬である「アクテムラ®︎(トシリズマブ)」の登場で、巨細胞性動脈炎の寛解達成率も大きく向上しました。なので、ステロイド抵抗性がある場合は、アクテムラ®︎を併用することが多いです(保険適応あり)。

また、その他の免疫抑制薬として「メトトレキサート」が推奨されています(保険適応外)

大動脈にも血管炎を認める大血管型巨細胞性動脈炎は、古典的な頭蓋型巨細胞性動脈炎と比べて、ステロイド抵抗性の頻度が多いと報告されており、注意が必要です。

抗血小板薬について

巨細胞性動脈炎は、高安動脈炎と同じように、抗血小板薬であるバイアスピリン®︎(アスピリン)の内服で血栓症の発症が低下すると報告されており、禁忌がない限り内服が推奨されています。

その他

巨細胞性動脈炎は、国の指定難病に登録されており、保健所にて特定疾患の申請をすると、医療費の補助が国から受けられます。アクテムラ®︎などを使用する場合は、高額な医療費となることが予想されますので、特定疾患の申請をすることをお勧めいたします。

今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。参考になりましたら、高評価、コメントを頂けましたら嬉しいです🥝またTwitterのフォローもお願いします🕊

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