〜 The Point 〜
- MCTDには多彩な症状があり、それぞれに対しての治療が行われる。
- 肺高血圧症の合併頻度が高く、また生命予後にも左右する。
- MCTDに特徴的な神経症状として、無菌性髄膜炎や三叉神経障害がある。
今回は、混合性結合組織病の治療について取り上げていきたいと思います!
混合性結合組織病は(mixed connective tissue disease)、以下ではMCTDと表記したいと思います。
MCTDの治療はどんなものがありますか?
まず、MCTDも他の膠原病と同じように症状や臓器病変に対して治療を行っていきます。
MCTDは、3つの膠原病の特徴を併せもつことから実に多彩な症状を呈します。表を参考にしながら、詳しく解説していきます。
治療 | |
〜全身症状〜 | |
発熱 | 感染症や腫瘍性疾患を鑑別 解熱鎮痛薬 か 小〜中等量ステロイド |
〜皮膚症状〜 | |
SLE様皮疹 | 日光を避ける 外用ステロイド |
レイノー現象 | 保湿 禁煙 血管拡張薬 |
指尖潰瘍 | |
〜関節症状〜 | |
非破壊性 | 鎮痛薬(セレコックス®︎など)か 少量ステロイド |
破壊性 | メトトレキサートなどの抗リウマチ薬 |
〜心血管症状〜 | |
心膜炎 | 鎮痛薬 か 少〜高用量ステロイド 大量の場合には心嚢ドレナージを行う |
心筋炎 | 高用量ステロイド、エンドキサン®︎(シクロフォスファミド) |
肺高血圧 | 下記を参照 |
〜肺症状〜 | |
胸膜炎 | 鎮痛薬 か 少〜高用量ステロイド |
間質性肺炎 | 高用量ステロイド、エンドキサン®︎(シクロフォスファミド) |
〜消化器症状〜 | |
逆流性食道炎 嚥下障害 | 胃薬(ラベプラゾール、ランソプラゾール、ネキシウム®︎、タケキャブ®︎など) H2阻害薬(ガスター®︎(ファモチジン)など) |
〜筋症状〜 | |
筋炎 | 中〜高用量ステロイド |
〜腎症状〜 | |
膜性腎症 | 中〜高用量ステロイド および降圧薬:ACE阻害薬(エナラプリルなど) |
腎クリーゼ | 降圧薬:ACE阻害薬(カプトプリル、エナラプリルなど) |
〜神経症状〜 | |
無菌性髄膜炎 | ロキソニンなどの鎮痛薬は中止 中〜高用量ステロイド |
三叉神経障害 | ステロイド、抗痙攣薬 リリカ®︎、抗うつ薬 |
〜血液症状〜 | |
自己免疫性貧血 血小板減少症 | 高用量ステロイド ボンゾール®︎(ダナゾール)、免疫抑制剤 |
血栓性血小板性紫斑病(TTP) | 血漿交換療法、免疫抑制剤 |
肺高血圧症の治療について
MCTDでは、肺高血圧症の合併の頻度が高く、生命予後を左右するため、合併の有無を評価するために、心臓エコーや時には心臓カテーテル検査もしながら詳しく検査をします。
治療は、まずは、利尿薬や酸素投与、抗凝固療法を行います。
症状が軽症〜中等症では、ステロイドやエンドキサン®︎(シクロフォスミド)などの免疫抑制療法単独で開始します。それでも、効果が乏しければ、肺血管拡張薬の併用を検討します。
症状が重症の場合は、肺血管拡張薬に免疫抑制療法(ステロイドやエンドキサン®︎(シクロフォスファミド))を併用します。それでも、効果が乏しければ肺血管拡張薬を併用していきます。
ただ、肺高血圧の治療についてはエビデンスが十分ではなく、今後のさらなる臨床研究が必要な分野です。
レイノー現象に対する血管拡張薬について
〈 レイノー現象 〉
レイノー現象とは、突然指趾が、蒼白化し、数分後に紫色となり、その後びまん性な紅潮を経て正常皮膚色に戻る一連の現象を言います。
レイノー現象には手足だけでなく、体全体や住居全体の保温が有効です。また、喫煙や要因となるストレスを避けることも重要です。
また、レイノー現象により「皮膚潰瘍や壊疽」にまで進展することもあるため、最近では肺高血圧症で使用されるような血管拡張薬も使用が試みられています(保険適応はされていません)。
MCTDの神経症状の治療について
1)無菌性髄膜炎
MCTDの神経症状において、無菌性髄膜炎は約15%程度を占めます。無菌性髄膜炎は、聞き慣れない言葉ですが、細菌や真菌による感染性髄膜炎ではないという意味で、主にウイルス性か薬剤性かのどちらかを無菌性髄膜炎といっています。
ややこしいですが、ウイルスは菌ではないため、無菌性に分類されることが多いです^^;
MCTDの無菌性髄膜炎は、薬剤によって誘発されることが多く、原因が薬剤性の場合は、まず薬剤を中止します。それでも改善が乏しく、原疾患(つまりMCTD)によるものであれば、中等量程度のステロイドの投与が検討されます。症状が重症の場合は、ステロイドパルスやエンドキサン®︎(シクロフォスファミド)も行う場合もあります。
また、膠原病の無菌性髄膜炎は、MCTDの他に、SLEやシェーグレン症候群でも認められます。
原因薬剤は、NSAIDsと呼ばれる解熱鎮痛薬や抗菌薬が多いです。以下に表でまとめました。
薬剤 | |
解熱鎮痛薬(NSAIDs) | イブプロフェン、ジクロフェナク、ナイキサン®︎、ロキソニン®︎など |
抗菌薬 | ペニシリン、ダイフェン®︎、バクタ®︎、サルファ剤(アザルフィジン®︎など)、イソニアジドなど |
その他 | γ-グロブリン製剤など |
2)三叉神経障害
〈 三叉神経の支配領域 〉
MCTDの神経症状において、約10%に三叉神経障害が生じるといわれています。無菌性髄膜炎とともに頻度の高い神経症状です。
症状は顔面の感覚鈍麻や異常感覚、疼痛・味覚障害などの感覚障害を呈することが多いです。
治療は、ステロイド投与が検討されますが、有効性は高くありません。慢性化する場合には、テグレトール®︎(カルバマゼピン)やリリカ®︎などが使用されます。
今回はここまでです。最後までお読み頂きありがとうございました。参考になりましたら、高評価、コメントを頂けましたら嬉しいです?またTwitterのフォローもお願いします?