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【新型コロナワクチン : mRNAワクチンとベクターワクチンの 違いについて】

こんにちは、Dr.キウイ?です。今回は、新型コロナウイルスワクチンのmRNAワクチンとベクターワクチンの違いについて取り上げていきたいと思います!

ベクターワクチン

  • ベクター(運び屋)を介して、新型コロナウイルスの遺伝子を伝える。
  • 自然感染したときのような免疫応答を再現できる。
  • 同じ種類のベクターワクチンは、1回打つと2度と打てなくなる。(ベクターに対する抗体ができてしまうため)
  • アストラゼネカ(英)とジョンソン&ジョンソン(米)が開発。

mRNAワクチン

  • 新型コロナウイルスの情報が載ったmRNAを、脂質ナノ粒子などに包んで、直接遺伝子をヒトの細胞へ送る。
  • 2回接種が必要だが、有効性は高い。
  • ファイザー(米)、モデルナ(米)が開発。




ベクターワクチンとは?

ベクターワクチンとは、人体に無害な改変ウイルスを「運び屋」(ベクター)として使用し、新型コロナウイルスの遺伝子をヒトへ運びます。ベクターを介して細胞の中に入った遺伝子から、新型コロナウイルスに対する抗体が作られ、免疫が構築されます

また、キラーT細胞などの「細胞性免疫」も活性化する効果があると報告されています。

新型コロナウイルスに対するベクターワクチンの多くは、風邪を引き起こすアデノウイルスをベクターに採用しています。

アストラゼネカはチンパンジーアデノウイルスを、ジョンソン&ジョンソン(J&J)はアデノウイルス(26型)を用いています。

メリットは?

アデノウイルスベクターを使用することで、感染して細胞の中で蛋白質を作るという過程が、ウイルスが感染した過程とよく似ているため、自然感染したときのような免疫応答がきちんと起きます。

効率よくヒトの細胞に入ることができるため、効果が期待されています。

問題点は?

一方で、『問題は、アデノウイルスに対する抗体ができてしまうことです。』人体がベクターそのものに対する免疫を持ってしまうということです。

そのため、ワクチンは1回はよいが、2回目以降は2度と使えなくなってしまいます。

本来、アデノウイルスベクターというのは、エボラウイルスのような、もう2度とかからないだろうというためのワクチンなのです。

mRNAワクチンとは?

一方、運び屋(ベクター)を介さずに直接、抗原タンパク質(新型コロナウイルスの成分)の情報(塩基配列)を持ったmRNAを注射するのがmRNAワクチンです。

その際に、免疫が過剰に作用するのを抑えるために、脂質ナノ粒子などに封入しています。

投与後、細胞質内でmRNAが抗原たんぱく質(新型コロナウイルスの成分)に翻訳されて免疫が誘導されるため、抗体を作る液性免疫だけでなく、細胞性免疫(細胞自体がウイルスと闘う)も引き起こすと考えられています。

これまで世界で承認されたmRNAワクチンはなく、今回が、世界で承認されたはじめてのmRNAワクチンとなります。

特徴は?

また、従来の不活化ワクチンと違い、mRNAワクチンは大量にかつ、速く生産が可能となりました。そのため、今回アメリカのファイザー社とモデルナ社はワクチンを迅速にかつ大量に作ることが出来ました。

従来の不活化ワクチンの作成では、実用まではざっと1以上はかかっていたと思います。

また、ベクターワクチンと違い、ベクターに対する抗体はできないため、2度と打てなくなるということはありません。

問題点は?

問題点は、今回、世界ではじめて使用されたため、長期的な副作用はまだ不明な部分が多いです。

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